かれこれ10年以上前かと思います。知人とお酒を呑んでいて、好きな4文字熟語を尋ねられて、とっさに「一期一会」と言った事があります。
この、聞かれてパッと出た4文字熟語というのは、本人にとって何らかの意味合いがあるとの事を、その方はその時語っていましたが、どんな意味合いなのかは、すっかり忘れてしまいました。ただ、その時「一期一会」と答えた事だけ、はっきりと憶えています。
ちなみに、その方とは、それ以来会っていません。まさに「一期一会」です。
以前のブログで、「お別れの歌」というタイトルで、別れのどうしようもなさについて書きました。
思うに、心が通じあった異性や肉親との別れは、その最期のときは鮮明に記憶してますが、実は別れは、私たちが気付いていないだけで、日常茶飯事なのではないでしょうか。
前述のように、「また呑みに行こうね〜」といいつつ、疎遠になった方。懇意にしていたお得意様の取引先の営業の方で、突然の転勤や退職を後から知った時。卒業で遠くに就職、バイトを辞めた女の子…
フェスで椅子が壊れた時に直して頂いた方。ライブで対バンしたアーティストさん。新幹線の隣の席で、何かのきっかけでたまたま話が弾んだ方…
今目の前にいるこの人と会うのはこれで最後だ、と思えると、いろんな人間関係が、今までとちょっと違ったふうに見えてきます。
そんな気持ちを少しでも持って日々を過ごすと、人間関係の煩わしさが、ほんの少し減ります。思った分だけ、減ります。
デヴィッド・ボウイの「ファイブ・イヤーズ」は、そんな歌です。
あと5年で地球が滅びると分かったら?隣の「あなた」が、とっても愛おしく思えてくる、と、切迫した切ない声で歌っています。
この曲が1曲目の、既に40年前のアルバム「ジギー・スターダスト」。設定はSF仕立てのコンセプト・アルバムなのですが、SFの衣を借りて、リアルで日々途方に暮れる 、私たちの日常を救う歌を歌っています。
肉体は滅んでも、歌は永遠に残ります。「スターマン」を歌うデヴィッド・ボウイ。