先日夜、ブログを更新しようとタブレットを手にしたのですが、スイッチを押しても画面が真っ黒のままで立ち上がりません。仕事前に充電しておくのを忘れてしまった事に、すぐに気付きました。
電源が入らずビクともしないタブレットを見つめていると、いつもと同じ筈なのですが、まるで魂が抜けた亡き骸のように見えるから不思議です。
数年前まで、将棋で「電王戦」という、人間 vs AIの勝負が行われていました。たしか4〜5年は続いていたんじゃないかと。何故なくなったかというと、予選?の叡王戦を勝ち抜いた佐藤天彦名人が、二番勝負であっけなく敗れてしまったからです。これにより、人間とAIの、いわゆる「格付け」が終了したからです。
将棋のように、ルールが決まっている土俵上だとAIはその能力を存分に発揮しますが、ルールがなかったりハプニングが多い環境上だと、その機能はちゃんと発揮されるか疑問です。
当時の電王戦で、対ソフト必勝法を、とある棋士は「コンピューターの電源を抜けばいい」と語っていましたが (もちろん冗談で)、実社会でAIが活用されるに当たって、この言葉はある意味機械の最大の弱点を突いているなあと感じます。
遠くもない未来で、電気自動車が一般化されたり、電子マネーが通貨の100%近くを占める事になったりするのでしょう。それに関して、一抹の不安をおぼえるのは私だけではない筈です。
いくら優秀でも、使う人間が充電し忘れるだけでガラクタ同様になってしまう、機械とはそんなものですから。AIを生かすも殺すも、我々人間次第です。