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【2023年12月3日】我が心の「ゲゲゲの鬼太郎」

 

 

 

私の幼少時のヒーローは、当時大人気だったウルトラマンでも仮面ライダーでもなく、ゲゲゲの鬼太郎でした。幼稚園児の頃、鬼太郎に憧れて、顔が隠れる程長いあの髪型とちゃんちゃんこを真似たチョッキを着て、得意げにポーズをとっている写真が残っていた程です。

 

 

この記事は、鬼太郎の相棒?であるねずみ男についての考察です。私のようなロートルのファンにはとても楽しく読めました。コメント欄で「ネズミ男は水木さんの中の『日本人』っていうのを聞いた事あります。。」というのが上がっていました。「上に媚び諂って、下を見下して、ヨイショが上手くて…」なるほどです (笑)。もう一つ付け加えるなら「自慢話をする」でしょうか (笑)。

 

 

 

よく知られた話ですが、作者の水木しげる先生は、出征して片腕を無くして帰ってきました。戦争体験で「人間ほど怖い生き物はいない」と思ったそうです。水木先生にとって妖怪の世界は、慣れ親しんだユートピアのような世界だったのかもしれません。

 

 

人間の怖さを感じさせる最近の事例に、SNSによる誹謗中傷、があります。古代の世界では「呪術」というのがあって、呪いで人を死に至らしめた、という話を、子どもの頃に何かで読んだ事があります。その時は、呪いなんかで人が死ぬのかなあ?と、半信半疑でしたが、今になって、なるほどと納得しています。SNSの誹謗中傷は、まさに大昔の呪術だなあと。

 

 

 

ゲゲゲの鬼太郎、気になってYouTubeを検索したら、結構たくさんの話が上がっていました。何と今世紀になっても新しいシリーズが放映されて人気を博していて、私のような子どもたちって、たくさんいるんだなあと、ちょっと感慨深く思った次第です。

 

 

【2023年6月26日】コーネリアスのアルバムがリリースされます 〜 先ずは言葉 ーー「音楽と言葉」のインタビュー記事から

出版されてもうかれこれ数10年前になりますが、「音楽と言葉」という本が手元にあります。私は数年前に今後も読み返すであろうと思った本、数10冊のみを残して、その他全てリサイクル・ショップに売ってしまったのですが、この本はその残った貴重な本の一冊です。

 

 

 

 

この「音楽と言葉」、副タイトルの「あの人はどうやって歌詞を書いているのか」でも分かりますが、数名のミュージシャンに「歌詞」について特化したロング・インタビューを行なっている本です。ミュージシャンはかなり偏った人選で、ピンっとくる人とこない人がはっきり分かれると思います。私はピンっときたので購入しました。

いつ出版されたのか、気になって本の最終ページを見たら、初版発行2009年、とありました。自分自身、音楽制作を全く行なっていない、どころか、やろうとも思っていない頃です。

 

 

 

 

それでこの面々の中で、面白くて何度も読み返したのが、コーネリアス (小山田圭吾さん) のインタビュー記事です。小山田さんが他のミュージシャンたちとは全く違った地平に立って歌詞を書いているというのが、このインタビュー記事を読むとよく分かります。

 

 

コーネリアスの歌詞は、他のミュージシャンと全く違った目線で書かれています。その秘密に迫っているような記事です。インタビュアーは何とフリッパーズ時代の歌詞 (小沢健二さんの歌詞) についても問いかけていて、小山田さんはごく普通に淡々と答えています。小沢ファンも面白く読めます。

 

 

コーネリアスの歌詞の大きな特徴は、先ず、無邪気な子どものように言葉をパッと発声したところからスタートしている点にあります。発声される言葉の響きを最重要視して書かれているその歌詞は、しかし音なしでただ読んでも、ちゃんと面白く読めます。

ターニングポイントは、アルバム「ファンタズマ」(‘97年) でしょうか。ここから、「ポイント」(‘01年)、「センシュアス」(‘06年)、と、音も言葉もミニマム化していきます。

 

 

前作「メロウ・ウェイヴス」(‘17年)を経て「変わる消える」「火花」等、最近の曲 (ニュー・アルバム収録) を聴く限り、そんな言語センスが更にポップに分かりやすく開けて表現されているようです。アルバムのリリースが待ち遠しいです。