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【2024年6月30日】ガルシア・マルケス「百年の孤独」が文庫化されて売れているそうです

 

 

 

このニュースを読んで、私の読書歴の黒歴史?が蘇りました。

私が高校生?大学生?(よく憶えていない) の頃、著者のガルシア・マルケス氏がノーベル文学賞を受賞したのを受けて、書店にこの「百年の孤独」と、当時の新刊「予告された殺人の記録」が平積みされていました。どちらも当時の書評で絶賛されていたので、ちょっと読んでみようかと、先ずは「百年の孤独」を手にとって最初の数行を読み始めました。

 

 

数行読んですぐに頭がクラクラして、即購入しました。と、ここまではいいのですが…。

結局何度かチャレンジした挙句読むのに挫折して、読了していません。こんなに読みにくい本が南米で大ベスト・セラーになって全世界的に読まれているとは、ちょっと信じ難い事でした。

 

 

この小説は「マジック・リアリズム」と呼ばれるスタイルで書かれています。当時の私はこういうタイプの小説を読んだ事がありませんでした。

結局この小説は、長い間実家の本棚に眠り続けた挙句に処分してしまいました。

 

 

 

最近、インターネットにアクセスしない日 (デジタル・デトックス) を時々設けていて、そんな日は何をしているかというと、読書の時間が圧倒的に増えています。どなたが仰ったのか知りませんが、ヒトは活字を食べて生きている、という言い回しを読んだ事があります。私にとってインターネットとは、動画でも音楽でもなく、まさに活字 (言葉) なんだなあ、と実感しています。なので、インターネットに接しない日は本を読むのでしょう。

 

 

そして当たり前ですが、本はネット記事に比べて圧倒的に長いです。この長さ及び、読んでいる時のゆっくりとした時間の流れこそ、今の年齢の自分の生活に必要なのではと感じています。

 

 

「百年の孤独」の売上の背景には、私のように若い頃最後まで読めなくて本を閉じたけど、今になってそろそろ読んでみようかと思い再び手にしている、私のような初老層が多いのではないかと、勝手に思っています。もしくは、当時読んで感銘を受けた方が、文庫本化のニュースを受けて数10年ぶりに読んでみようと考え手にしているというパターンか。

若い頃よりも自分の時間がしっかりとれる今だからこそ、長い物語に思考を委ねたいと考える人が、この本を手にとっているのかなあと。(実際はどうだか知りません、私の空想です)

 

 

【2024年6月27日】久しぶりに本を購入しました 〜 吉本隆明 × 笠原芳光「思想とはなにか」

作者とタイトル及び「序」(まえがき) を読んで、購入を決めました。お二人とも思想家です。

以前に何度も当ブログで取り上げていますが、私は吉本隆明さんの著書は結構読んでいます。この本は思想家同士の対談という事で、本人の著書とはまた違った視点も見つける事が出来るのではないかと、読むのが楽しみです。

 

 

ところで吉本隆明さん。その思想はもちろん刺激的なのですが、文章表現に於いても類い稀な書き手です。

どこが類い稀かといえば、難解な思想を平易な言葉で分かりやすく表現している点です。

 

 

 

哲学書とか思想書というのは大体誰もが「難しい」と敬遠しがちです。つまり、読者は「哲学ファン」「思想ファン」しかいなくなるという訳です。そういう状態なので、多くの書物はそんな「彼らの共通言語」を多く用いて書かれています。その為更に普通の人には難解に思えて…の悪循環が生じています。

 

 

「彼らの共通言語」とは ーー つまり専門用語です。かく言う私も、ブログを書いていて、よく音楽の専門用語を使います。例えば前回の文章だと「ヘッドアレンジ」「プログラミング」「ミックスダウン」等。専門用語を使えば、内容はストレートに伝わる反面、その言葉自体を知らない普通の方には、上記の哲学書同様、全く通じない文章になってしまいます。私のは単なる日記なのでいいかなと思って使っているのですが…。

 

 

 

おそるべき事に吉本隆明さんの文章は、高度な内容を、我々が日常的に接するごく普通の言葉で書かれています。専門用語を使わずに自身の思想を分かりやすく表現している点は、本当に凄いと思います。おそらく、中学2年〜3年生ぐらいの読解力があれば十分に読みこなせるのではと。

 

 

吉本さんは多分、いわゆる「普通の人」にこそ自著を読んでほしかったのではないかと、今になって思います。

哲学書とは本来、閉じた世界でマニアが読む書物ではなく、ポップで誰もが読める、そんな本でないとダメなのではないかと、私は思います。

気になった方は、先ずは後期の著書をオススメします。目から鱗が落ちます。