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【2025年4月14日】「一本の線」元ネタについて 〜 菊地雅章「ガンボ」あれこれ

新曲「一本の線」、実はコード進行に元ネタがあります。日本人のジャズ・ミュージシャン、菊地雅章さんの’81年リリース・アルバム「ススト」収録の「ガンボ」です。

 

 

「ススト」、私は高校生当時、NHK FM「クロスオーバー・イレブン」で数曲聴いてすっかりトリコになりレコードを購入しています。私が所有している唯一のジャズのレコードです。今ではジャズの名盤として世界的に周知されているみたいです。これには納得です。

 

 

このアルバム、当時はジャズ/フュージョンというより、私はトーキング・ヘッズ「リメイン・イン・ライト」と並べて聴いていました。つまり、ブラックではない、泥臭くないファンク・ミュージックだと認識していたという訳です。不思議なジャケットと相まって、私には近未来の音楽に聴こえたものです。

 

 

 

「ガンボ」は、「ススト」の3曲目です。アルバムは全4曲。長尺曲ばかりで、「ガンボ」も10分以上ありますが、グルーヴに身を任せて聴くと全然長く感じません。

変拍子のレゲエのリズムに絡みつくように4つのコードが循環します。その循環するコードが切なくメロウで、アルバム全4曲中、最も聴きやすい曲となっています。

 

 

4つのコードは「E♭m」「E♭」「G♯m」「D♭7」です。ダイアトニック的には決して自然な進行ではありません。スケールで言うと、マイナー→メジャー…と行ったり来たりの実に不安定な進行です。ところがこれが自然で美しく響くから不思議です。

 

 

 

「一本の線」を作りながら、そんな当時の事を思い出しました。結局「ガンボ」の一部をサンプリングして使用する事にしました。いつも以上に丁寧に作らねば…。

 

 

 

 

 

【2025年3月19日】ローファイ・ヒップホップ聴いています

「ふきのとう〜」を作っている最中に時々聴いていたのが、ローファイ・ヒップホップ。このジャンルとはどういう音楽であるかはいろんなWEBサイトで紹介されているので、ここでの説明は省きます。

一般的にはBGMとして聴かれているローファイ・ヒップホップですが、私はどうしても流し聴き出来ず、いつも耳を傾けてじっくり聴き入ってしまいます。

 

 

このローファイ・ヒップホップ、主にYouTubeの専用チャンネルで聴いていますが、このジャンルでの贔屓のアーティストや曲などを探したいと思い、数年前にコンピレーションCDまで購入しています。

 

 

 

↑ 有名なYouTubeチャンネル「lofi hip hop radio」↓ コンピレーションCD「Chillhop Radio」。

 

 

このチャンネルでローファイ・ヒップホップが好きになり、このCDで、XanderやYasperなど、ここ日本では全く知られていない素敵なクリエイターを見つける事が出来ました。

匿名性の高いジャンルですが、じっくりと何度も何度も聴けば、そこにはしっかりと個性が浮き上がってきます。YouTubeチャンネルの膨大な情報の海でウロウロするのも楽しいですが、情報をグッと絞り込んでリピートして深く聴くのも、また楽しい行為です。 (この場合、CDを聴くという行為のことです)

 

 

ところでふと思ったのは、匿名性が高い・人の声が入っていないジャンル故にAIに作らせるのも容易に出来るのではないか?という事です。早速「ローファイ・ヒップホップ AI」でYouTube検索をしたところ、やっぱり幾つも上がってきました。

ところが再生数はどれも全く伸びていません。聴いてみて、すぐに納得しました。前述のYouTubeチャンネルやCDのクォリティとは比べものになりません。AIはメロディを作れるようになりましたが、こういう繊細な音作りに関してはまだまだだなあと。