ポップ・ミュージックで、曲を終わらせる方法の一つに「フェイド・アウト」というテクニックがあります。
これは単純に、流れている曲の音量を少しづつ絞っていき、終了させるという方法です。この逆だと、交響曲のように、派手なコーダで曲を締めるというパターンになります。
中には、意図的に曲のピークで突然終わらせるのもありますが、そういう曲はごく僅かです。
フェイド・アウトという方法が、何故多く用いられているかといえば、それが、流れている音楽を終わらせるのに、一番自然に聞こえるからです。
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話はころっと変わります。
大都市や地方の中小都市での労働人口の減少が、今深刻な問題になってきています。
私の働いている小売業でいえば、大きなショッピング・モールや外資系や大手のチェーン店などは次々とオープンするのですが、働き手が少なく、アルバイトさんやパートさんの時給が跳ね上がっています。それでもなかなか求人が来ないみたいです。
特に飲食店などは、スタッフ募集をしていないところがない位に、どんなお店に入っても「スタッフ募集」の貼り紙を目にします。
ブラック企業と呼ばれる企業も、小売業界には大変多いのですが、そもそも上記の理由でスタッフの数が足りてないので、今居るスタッフの仕事が大変になるのは当たり前の話です。特に、責任がついてまわる社員の方は。
政府は、会社にだけ働き方改善を求めるのは、酷な話ではないかと思うのですが。皆んな、仕方なしにやっているんですよ。
で、何が言いたいかというと、「日本の経済を上手く・自然にフェイド・アウトさせる方法」を真剣に考える時期にきているんじゃないか、という事です。
今後、更に労働人口が減っていきます。これは100%間違いありません。
そうなっていくうえで、小さなパイ (労働人員や資源) の取り合いで、取った人 (企業) が勝ち、取れなかった人 (企業) が飢える (潰れる) のではなく、小さなパイを、みんなで分かち合う、そんな社会にするために政策の舵を切っていかないと、ラチがあかないんじゃないかと。
人の命も、フェイド・アウトしていくのが、一番穏やかでしあわせな亡くなり方だと思います。
多くの人のしあわせを考えて、人口が減っていくのに呼応して社会全体が上手く、自然に、少なくなる人口の分だけフェイド・アウト (社会が終わる訳ではありませんが) していければいいなあと、私は思います。もう上昇を考えるのは、止めた方がよいのではと。
こんな事を考えるのも、歳をとった証拠ですね。
今回アップする画像について、大変悩みました。悩んだ挙句、「いきなり終了」の曲、キング・オブ・プログレッシヴ・ロック、キング・クリムゾンの「偉大なる詐欺師」(’74年) にしました。
プログレには昔から、いきなり終わる曲や、変拍子や、BPMが途中大きく変わる曲などが多くありますが、一言で言うと、どれも皆んな「不自然」です。(この曲「偉大なる詐欺師」は、その全てを備えています!)
音楽はそれでもいいのですが、現実は「自然」に流れていってほしいものです。そして「人生」も。