【2018年3月16日】くるり「その線は水平線」聴きました

知らないうちに、くるりのシングル盤「その線は水平線」がリリースされていました。(2/21、限定10000枚)

 

 

まず、このタイトルで思ったのは「自分の(この前作った)曲と似ている!(嬉しい)」でした。私の曲のタイトルは「その色はブルーと」。昨年の秋、当ブログでも制作日誌をアップして、その中で歌詞やコード表を載せたりしていました。そして歌い出しも「♪その線は水平線〜」です。私のは「♪その色はブルーと〜」。バンザーイ!ファン冥利に尽きます。

 

 

というところで、PVがYouTubeで公開されていたので、早速先日から数回聴きました。
前のシングル「琥珀色の街、上海蟹の朝」は、オシャレなコード進行のR&B的なトラックに、岸田さんのラップが乗るという異色のナンバーでしたが、今回のは、昔の「ハウ・トゥ・ゴー」のようなスローなルーツ・ロック。「ハウ・トゥ・ゴー」ほど遅くないですが。

 

 

「その線は〜」を何度か聴いて、2009年リリース、8枚目のアルバム「魂のゆくえ」を思い出しました。地味で淡々とした曲が並んでいるのですが、聴けば聴くほど味が出てくるアルバムです。
岸田さんはいろんな音楽を咀嚼している人なので、ともすれば器用貧乏的に聴こえる曲もあるのですが (実はそんなところも魅力でもある)、このアルバムとか、その次の「言葉にならない、笑顔を見せてくれよ」(2010年) の地味な音楽性が、一番自然に聴こえます。そしてこのシングルも、そんな曲です。しばらくは毎日聴きそうです。

 

 

くるりの、アルバムごとに変わる音楽性 (というかアルバムのコンセプト) の揺れ具合は、往年のデヴィッド・ボウイさんを思い起こします。多作なところも。
コンセプトをガチガチに決めて作る → 内省する・ルーツに戻る → また別のコンセプトで…、双方とも基本的に、アルバムはこんなサークルでリリースされ続けています。こんな作り方は、豊かな才能がある人だからこそ出来ることです。(普通、ネタ切れしてしまいます)

 

 

「魂のゆくえ」「言葉にならない、笑顔を見せてくれよ」は、内省的、自然体で。大震災を経た「坩堝の電圧」(2012年)「THE PIER」(2014年) は、前向きでバラエティに富んだ音作り。トランペットのファンファンの加入が大きいです。
すると次は、私的な、ルーツ的なアルバムになるのでしょうか?それとも、4年という過去最長のインターバルでアルバムがリリースされていないので、かつての「ワルツを踊れ」のような、アッと驚くコンセプト・アルバムなのでしょうか?
いずれにしても、とても楽しみです。

 

 

 


音同様、シンプルなシーンが光るPV。

 

 

 

アルバム「魂のゆくえ」。