年末から歯医者に通っていますが、一番苦手なのは、歯を削る際のドリル?の「ギュイーーン」です。音もですが、ドリルが歯の神経に触るとヒリヒリします。
話はとびますが、こないだ購入した (ブログにも上げています) シガーロスを時々聴いているのですが、聴きながら歯医者のドリルの音を思い出しました。爆音で鳴るギターの音にです。こういうギターの爆音で歪んだ音はロックの発明音の一つなのですが、それを快・不快と感じるのは紙一重なのではないかと感じます。感性というより、神経に直接響く音だからです。
‘90年代のイギリスのロック界で、シューゲイザーという、ちょっとしたムーヴメントがありました。轟音のギター・サウンドがメインの音楽性ですが、それまでのハードロック〜ヘヴィメタル、パンク、ノイズ・ミュージックの類のギター・ロックと違っていたのが、外に向かっての攻撃性が殆ど感じられなかった事です。
ギターの音以外の特徴としては、ドラム音やベース音(低音域)が抑えられていて、うるさいけども重くはなく、ボーカルは轟音ギターに半分埋もれている、囁くような歌声です。そしてメロディは気怠くポップ。
ハードロック類のように聴いていて高揚する音楽ではなく、神経を麻痺させるようなマゾヒスティックで自傷的な音楽でした。
歯医者の治療椅子に身体を縛られ?、ドリルで「ギュイーーン」とやられている様子は、シューゲイザーを全く好きでない人が、椅子に縛られてヘッドフォンで大音量で無理やり聴かされている、そんな光景を連想しました。シューゲイザー同様、歯医者も好きになりたいなあと。
シューゲイザーの代表的なアルバム、マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン「ラヴレス」のリマスター盤を購入したら付いてきたポスター。上の方の四角3つがマイブラのアルバム・ジャケットですが、マイブラに限らず、シューゲイザーのアルバム・ジャケットは、大体このようなぼんやりとしたデザインばかりでした。
シューゲイザーの音楽性を視覚化すると、このようなデザインになるのでしょう。