【2019年3月16日】RHYE (ライ)「BLOOD」毎日聴いてます 〜 ロキシー・ミュージックを思い出しました

ライは、ロサンゼルスを拠点として活動する男性デュオ。歌声がまるで女性のファルセットのように聴こえます。ネットで情報を調べて、初めて男性だと分かった程の女性声です。

 

 

このアルバム「ブラッド」(‘18年) は、難聴ぎみの知人のMさんがよく聴いているという事で、オススメしていました。YouTubeで聴いた後気に入って、早速購入しました。それから一週間ほど、毎日一度は聴いています。

R&B、ポップス、ジャズ、AOR…。いろんなジャンルの、穏やかなエッセンスが詰まった音です。まさしくジャケットのイメージ通り。

 

 

私は聴いていて、ロキシー・ミュージックを思い出しました。ロキシーはロックで、サウンドもこんなに穏やかではありませんが、ラスト・アルバム「アヴァロン」(’82年) を更にソフィスティケートしたら、こういう音になりそうです。

そう思うとヴォーカル・スタイルも、ロキシーのブライアン・フェリーさんと共通点が感じられます。音程を歌うというよりも、音に逆らわずに・音の波間に漂う感じが、そして力の抜け具合が、です。

 

 

ついでに言えば、ジャケットもです。ロキシーはオリジナル・アルバムを8枚リリースしていますが、その全てが、女性モチーフのジャケットです。ライはこのアルバムが2枚目ですが、ファースト・アルバムも女性モチーフでした。絶対に意識しているんじゃないかと勘ぐってしまいました。

 

 

 

ところで日本では、こういうセンスの音楽はイマイチ売れません。ロキシーもそうでした (「アヴァロン」だけはそこそこにヒットしたかも)。そして、演る人も少ないです。

売れないのは、ぼんやりしていて聴きどころが分かりにくいからだと感じます。ハードでもなくポップでもなく、情緒的でもなく、テクニカルでもなく。

 

 

そして日本人で演る人が少ないのは、日本では売れないからやらないという要素以外に、演るにはかなりの高度なセンスが必要な音楽だからです。このセンスは、テクニックのように練習しても中々身につくものではありません。日本にロキシー・ミュージックのような音楽を演っているバンドが皆無なのは、そんな理由からだと思われます。

 

 

などと客観視して書いている私も、ロキシーのような音楽はちょっと無理ですね。もう少しセンスがあったら絶対に、ライとかロキシー後期のスタイルの曲を作っているんですが。。

 

 

 

ライは、センス的には十分持っているバンド (ユニット) だと感じます。こういう、静かな呼吸のような音楽が、もっと一般的に売れたらいいのになあと思います。

 

 

 

 

上:ライ「ブラッド」。

下:ロキシー・ミュージックの2nd.「フォー・ユア・プレジャー」 (藍色の服の女性の方) と3rd. 「ストランデッド」(赤い服の方)。共に’73年リリース。奇跡的にジャケットが残っていました (ボロボロですが)。共に大傑作です。