最初に作ってから2年半の時を経て、ようやく完成に至りました。
この曲は一部「ヨナ抜き音階」と呼ばれる、懐かしさを感じさせる和音階を使っています。そんなノスタルジックなオケを作りながら、ふと芥川龍之介の「舞踏会」の一節が浮かんだ訳です。
芥川龍之介「舞踏会」は、上梓されたのが1920年。大正9年です。この大正時代というのは、昨年のトレンドとなった「鬼滅の刃」の設定時代でもあります。
その「鬼滅の刃」、私は時々行く「CoCo壱番屋」でコミックが置いてあり、読んでみたら、これがなかなかでした。バイトの学生さんたちがハマるのもよく分かりました。
このマンガの面白いところは、一つには時代設定が挙げられます。(こんなところで面白がるのは、私だけかもしれませんが。。)
現代でも異世界でもなく、そして時代劇とも言えない「大正時代」。そして登場人物の細かい心情描写よりも、テンポよく進むストーリーが重視されていて、「昔むかし…」で始まる、昔話を読んでいるような趣きもあります。(「鬼退治」という「桃太郎」その他昔話のような設定からしてそう)
だから、かなりの残虐な場面も、いい意味でリアルにではなく読めます。
「舞踏会」をリメイクしている際、芥川龍之介「舞踏会」そして「鬼滅の刃」の、大正時代のノスタルジックな、現代離れした雰囲気をもっと出そうと考え、ヨナ抜きの伴奏を以前のヴァージョンよりも大きくフィーチャーしてみました。
そして、歌詞と朗読部分の世界観が、聴いた人に分かりやすく繋がるように、コーダで歌詞を朗読してみました。
そんな工夫をした、この「舞踏会」です。少し置いて微調整してから、久しぶりにサウンドクラウドに上げてみようかなあと。