【2021年4月1日】「春酔唄 part.2」リミックスしました

スタジオのセッションで最初に録った曲です。g君はかなり苦労してたみたいです。それもその筈で、この曲のヴァースのカッティングは、キーボードで弾いたフレーズを更にソフト上でヴォイシング (簡単に言えば音の配置のこと) を組み替え、更にテンション・コードのイレブンスを加えたり、ルート (そのコードのベースとなる音。「C」なら「ド」) を分数 (違う音) にしたりと、ギターのフレット上で指がまわるかどうか等、全く考えずにアレンジしています。

 

 

この曲はブラック・ミュージックがベースになっています。秀れたブラック・ミュージックは、一聴してなめらかでまろやかで、そして自然に聴こえます。けれどもその鳴っている音の構造はかなり複雑で、聴きやすくて滑らかな音楽だから簡単にコピー出来ると思ったら大間違いです。

リズム感もメロディやコード進行も、ヴォーカルも、そしてそれらを表現出来る柔軟なテクニックも、日本人が演るにはかなりハードルの高い音楽です。

 

 

 

作り始めは仮題に「民謡」と名付けていたこの曲「春酔唄 part.2」では、そんなブラック・ミュージックのノリに少しでも近づきたいと考えて録り始めました。

リズム・トラックはジャズ・ヒップホップのトップランナーである、ロバート・グラスパー・エクスペリアンスのサンプリング、そしてリズムは’80年代末のゴーゴーのビートを借用しました。

 

 

そんな借用だらけで出来上がったトラックは、けれどもブラック・ノリとは決定的に何かが違います。この違いこそが、私の個性ではないかと勝手に思っています。本場のファンクに比べて稚拙なブラック・ノリですが、今後も楽曲に取り入れていきたいと思っています。

 

 

 

最後になりましたが、この曲のヤマ場のギターソロ、g君のプレイが実にいい感じで鳴っています。このソロを聴けただけでも、この曲を作った甲斐があったなあと。