カルチャー全般 (書籍、映画、アニメ、マンガ…)」カテゴリーアーカイブ

【2023年6月26日】コーネリアスのアルバムがリリースされます 〜 先ずは言葉 ーー「音楽と言葉」のインタビュー記事から

出版されてもうかれこれ数10年前になりますが、「音楽と言葉」という本が手元にあります。私は数年前に今後も読み返すであろうと思った本、数10冊のみを残して、その他全てリサイクル・ショップに売ってしまったのですが、この本はその残った貴重な本の一冊です。

 

 

 

 

この「音楽と言葉」、副タイトルの「あの人はどうやって歌詞を書いているのか」でも分かりますが、数名のミュージシャンに「歌詞」について特化したロング・インタビューを行なっている本です。ミュージシャンはかなり偏った人選で、ピンっとくる人とこない人がはっきり分かれると思います。私はピンっときたので購入しました。

いつ出版されたのか、気になって本の最終ページを見たら、初版発行2009年、とありました。自分自身、音楽制作を全く行なっていない、どころか、やろうとも思っていない頃です。

 

 

 

 

それでこの面々の中で、面白くて何度も読み返したのが、コーネリアス (小山田圭吾さん) のインタビュー記事です。小山田さんが他のミュージシャンたちとは全く違った地平に立って歌詞を書いているというのが、このインタビュー記事を読むとよく分かります。

 

 

コーネリアスの歌詞は、他のミュージシャンと全く違った目線で書かれています。その秘密に迫っているような記事です。インタビュアーは何とフリッパーズ時代の歌詞 (小沢健二さんの歌詞) についても問いかけていて、小山田さんはごく普通に淡々と答えています。小沢ファンも面白く読めます。

 

 

コーネリアスの歌詞の大きな特徴は、先ず、無邪気な子どものように言葉をパッと発声したところからスタートしている点にあります。発声される言葉の響きを最重要視して書かれているその歌詞は、しかし音なしでただ読んでも、ちゃんと面白く読めます。

ターニングポイントは、アルバム「ファンタズマ」(‘97年) でしょうか。ここから、「ポイント」(‘01年)、「センシュアス」(‘06年)、と、音も言葉もミニマム化していきます。

 

 

前作「メロウ・ウェイヴス」(‘17年)を経て「変わる消える」「火花」等、最近の曲 (ニュー・アルバム収録) を聴く限り、そんな言語センスが更にポップに分かりやすく開けて表現されているようです。アルバムのリリースが待ち遠しいです。

 

 

 

 

 

【2023年5月4日】音響本買いました 〜 角智行著「スグに使えるEQレシピ」

「レシピ」とは、上手くネーミングしたものです。「この楽器にこういう設定でイコライザーをかけるとこんな音になりますよ」という、実に直接的で役に立つ本です。サンプルのCD-ROMまで付いています。久しぶりに行ったリサイクル・ショップで手に取って、パラパラとみて即購入しました。宅録者には、痒いところに手が届く内容です。

 

 

イコライザーは、宅録者的にはコンプレッサーと並んで最も重要且つ使用頻度の高いエフェクターです。宅録者誰もが、この二つのエフェクターの前でもがいた経験があるのでは。

私もその一人で、下手したらこの二つのエフェクターを弄っている時間は曲作りの時間に匹敵するのではないかと思える程です。(ちょっと大袈裟)

そんな方にお薦めの本です。

 

 

 

ところで、そのイコライジングのポイントの話。私はミックスダウンでイコライザーを弄る8割〜9割がたの時間、低音の響き及び低音と上モノのバランスを取るのに使っています。以前、それは私が低音好きなだけなのでと思っていましたが、どうやらそうではない事に気付きました。

 

 

以前にも書きましたが、ここ数ヶ月のマイ・ブームでYMO関連をよく聴いています。彼らの音源を聴いていると、明らかに彼らの楽器音及びミキシングは低音域の響きに拘りが感じられるからです。

一応数年の経験をもつ宅録者として音源を聴くと、どのぐらいミキシングに手間ひまをかけているのか実は結構分かったりしますが、YMO関連音源の楽器音及びミキシングは、中域の下から低域にかけての音が本当に練りに練られているように聴こえます。(違ってたらゴメンなさい)

 

 

YMO関連だけでなく、他の音源も、そういう耳で聴くとやっぱりミックスのポイントは低音に聴こえます。つまり、低音域に主に神経を使うのは私だけではなく、そして低音域に神経を使うのは、アレンジやエンジニアリングとしては正しい行為なんだなと。

 

 

という訳で、この本。上手く活用して更にいい音響を鳴らせるようにしたいなあと思います。

 

 

 

 

ズバリ数値で書かれているところが潔く使いやすいです。