二人はそれぞれ、ジョージア、アイスランド、と、音楽辺境の地の、エレクトロニカのアーティストたちです。
因みにジョージアは、黒海とカスピ海に挟まれた東ヨーロッパの共和国。人口は370万人。アイスランドは、イギリスの北方に浮かぶ小さな島で、人口は35万人。
Natalie Beridze (←ネットでも日本語読みの情報がありません。多分、ナタリーさんと読むのだと思います) の「Guliagava」は、2016年リリース。エレクトロニカな音響に、ナタリーさんの乾いた歌声が乗ります。声が入ると、ややこしい響きのエレクトロニカのトラックが、途端にポップに聴こえます。
私の中では、久しぶりの大ヒットです。マニアックな音楽好きの間でも全くと言ってもいい程知られていないみたいなので、是非もっと聴かれてほしいなあと。
音の響きやメロディがジェイムス・ブレイクさんのファースト・アルバムを連想させるところもあり (3曲目のメロディなど、そのまんま 笑)、ジェイムス・ブレイクが好きだという知人が聴いてもハマるのではと、聴いていて思いました。(彼ほどエモーショナル&先鋭的ではありませんが、そこがこの人の魅力でもあります)
あと、かつてのエイフェックス・ツインっぽさもあり、影響を受けているのではないかと推測されます。
YouTubeで、アルバムのかなりの曲がアップされていて、私はそれをチェックして、驚いて購入しました。興味のある方は是非チェックを。
もう一方のサーシャさんは、隠れた音楽王国、アイスランドを拠点に活動している、フランス人アーティスト。アイスランドと言えば、ビョーク、シガーロス、ムーム、アウスゲイル…、人口僅か30数万人 (金沢よりも遥かに少ない) ながらも、世界的アーティストを何人も輩出しています。私の中では、アイスランドとジャマイカの音楽は外れがないイメージです。
フランス人ながらもアイスランドで音楽活動をしているその気持ちは、アイスランド好きの私には凄く分かります。このアルバムは、そんな情報だけで購入しました。昨年にリリースされています。
アイスランドの上記アーティストたちの音に共通して言えるのは、原始的というか神話的というか、エレクトロニクスの中から、そんな原風景的な感情を揺り動かす力を感じるところです。サーシャさんの音楽も、正にそんな音楽です。
ただ、そんなところが鼻につくというか耳に馴染まない人も多そうで、エレクトロニカが好きな人の中でも、好き嫌いがはっきりとしそうな音です。シガーロスが好きな方なら、多分抵抗なく入ってきます。
という訳で、ライブ前日、くつろぎのひと時にピッタリの2枚でした。