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【2019年4月27日】最近購入したCDから 〜 Natalie Beridze「Guliagava」、サーシャ・バーナーソン「ロッコール」

二人はそれぞれ、ジョージア、アイスランド、と、音楽辺境の地の、エレクトロニカのアーティストたちです。

因みにジョージアは、黒海とカスピ海に挟まれた東ヨーロッパの共和国。人口は370万人。アイスランドは、イギリスの北方に浮かぶ小さな島で、人口は35万人。

 

 

 

Natalie Beridze (←ネットでも日本語読みの情報がありません。多分、ナタリーさんと読むのだと思います) の「Guliagava」は、2016年リリース。エレクトロニカな音響に、ナタリーさんの乾いた歌声が乗ります。声が入ると、ややこしい響きのエレクトロニカのトラックが、途端にポップに聴こえます。

私の中では、久しぶりの大ヒットです。マニアックな音楽好きの間でも全くと言ってもいい程知られていないみたいなので、是非もっと聴かれてほしいなあと。

 

 

音の響きやメロディがジェイムス・ブレイクさんのファースト・アルバムを連想させるところもあり (3曲目のメロディなど、そのまんま 笑)、ジェイムス・ブレイクが好きだという知人が聴いてもハマるのではと、聴いていて思いました。(彼ほどエモーショナル&先鋭的ではありませんが、そこがこの人の魅力でもあります)

あと、かつてのエイフェックス・ツインっぽさもあり、影響を受けているのではないかと推測されます。

YouTubeで、アルバムのかなりの曲がアップされていて、私はそれをチェックして、驚いて購入しました。興味のある方は是非チェックを。

 

 

 

もう一方のサーシャさんは、隠れた音楽王国、アイスランドを拠点に活動している、フランス人アーティスト。アイスランドと言えば、ビョーク、シガーロス、ムーム、アウスゲイル…、人口僅か30数万人 (金沢よりも遥かに少ない) ながらも、世界的アーティストを何人も輩出しています。私の中では、アイスランドとジャマイカの音楽は外れがないイメージです。

フランス人ながらもアイスランドで音楽活動をしているその気持ちは、アイスランド好きの私には凄く分かります。このアルバムは、そんな情報だけで購入しました。昨年にリリースされています。

 

 

アイスランドの上記アーティストたちの音に共通して言えるのは、原始的というか神話的というか、エレクトロニクスの中から、そんな原風景的な感情を揺り動かす力を感じるところです。サーシャさんの音楽も、正にそんな音楽です。

ただ、そんなところが鼻につくというか耳に馴染まない人も多そうで、エレクトロニカが好きな人の中でも、好き嫌いがはっきりとしそうな音です。シガーロスが好きな方なら、多分抵抗なく入ってきます。

 

 

 

という訳で、ライブ前日、くつろぎのひと時にピッタリの2枚でした。

 

 

 

【2019年4月27日】車は怖い乗り物です 〜 最近の事故と自分の運転免許失効経験から思う

このところ続けて大きな自動車事故が起きています。私は大きな車の事故のニュースを観る度に、若い頃通った、自動車学校の教習所の事を思い出します。

 

 

今はどうなのか知りませんが、当時は実地に出る前に、教習所で仮免取得の試験がありました。その試験で、コースを一通り回って最後の直線でアクセスをグッと踏み込んで、30kmのスピードまで出すのですが、私はこの30kmが怖くて出せずに、なかなかアクセルを踏み込む事が出来ませんでした。おそらく脇の下が汗びっしょりになっていたんじゃないかと思います。

 

 

人によっては「そんな事ぐらいで」と思うかもしれませんが、それは人それぞれです。私は縦列や車庫入れ、坂道発進などは何の苦もなくこなしていましたが、それらが苦手な人もいたからです。私はたまたま、スピードを出すのが苦手だったという事です。(ビビりな性格なので)

 

 

 

そんなこんなで免許を取得してからは、普通にスピードを出せるようになりましたが、10年?もっと前?ちょっと忘れましたが、運転免許の更新に行くのを忘れて、いわゆる「うっかり失効」で、免停。仮免まで戻ってしまいました。

 

 

それで、しばらくは仕事や遊びに出掛ける際は、徒歩やバスを利用したのですが、これが全然困らないというか、逆に歩くというのは実にいいものだと思い始めて、このまま運転免許を再取得するのをよそうかとまで、真剣に考えました。

 

 

その事を、実家に帰って親に何気なく話したところ、「頼むから、運転免許だけは取ってくれないか」的な話をとつとつとされてしまいました。

うちの親は、私が社会人になってからは、私のやる事に関しては何の口出しもしなかったのですが、この時ばかりは泣きつかんばかりの勢いでした。私の性格を熟知していて、「この子なら、ほんとに免許再取得しないかもしれない」と思ったのでしょう (笑)。

その時「親にとって運転免許証というのは、持ってるのが当たり前なものなんだな」と思ったものでした。

 

 

 

失効時に歩いて移動していた頃。歩道を歩きながら、そのすぐ横をビュンビュンと走っていく車を見て、「やっぱり車は怖い乗り物だ」と、あらためて実感しました。数百kgもの鉄の塊が、時速50kmとか60kmのスピードで、自分のすぐ横を通り過ぎていく訳ですから。

結局免許は再取得しましたが、スピードは以前に比べて全く出さなくなり (以前も出していませんでしたが更に)、運転はものすごく注意深くなりました。

 

 

「運転免許を持っている事が当たり前な社会」は、ちょっと違うんじゃないかなと、その時以来思っています。

なくても普通に生きていける、そんな社会に。そして個人もそんな感覚にならないといけないかなと。いつ手離しても (メンタル的には) 全然大丈夫な、そんな感覚に。

 

 

 

 

ロックのカー・ソングというと、昔から一般的には「ハイウェイ・スター」(ディープ・パープル) のような「とばす快感」を連想する曲が多いような気がしますが、私の好きなロック・ミュージシャンは、そのような目線と全く違う目線で「クルマ」を歌っています。

 

以下の2曲はそんな曲。10代の頃によく聴いた曲です。クルマを「自閉空間」として捉えているところがユニークです。

 

 

 

「オールウェイズ・クラッシング・イン・ザ・セイム・カー」(デヴィッド・ボウイ)

 

なにか機会があるたびに/ぼくは出かけて行く/制限速度を守り、信号を守り/左右に注意のしどおしだが/いつもぼくは同じ自分の車の中で壊れていくだけ

 

ーー対訳:岩谷宏

 

 

 

「カーズ」(ゲイリー・ニューマン)

 

車の中/最も安全/ロックしてある/生き延びるため/君の声が聞こえる/数日は大丈夫/ドアを開けたら入ってきてくれるかい?

 

ーー対訳:segawax