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【2021年5月28日】「私のいない世界」録り直しています

以前作った「私のいない世界」。歌詞の時系列に沿って段々とテンポを速くしていったら面白いのではないかと、ふと閃きました。

 

 

私に限らず、人は歳を重ねるにつれて時間の経つのが速く感じるようになってきます。個人的な感想だと、ハタチを過ぎた頃から時の流れは急にスピードアップしていき、気が付いたら30代〜40代〜50代、と進んでいました。しかも、加速度は年々ついていっている感じです。

この曲のスピードは、そんな体感時間に合わせてみようと考えた訳です。

 

 

 

先ず、イントロは137BPM。続いて1番の歌詞は20代で140BPM。2番は30代で143BPM。混迷の40代 (ブレイク&間奏) を挟み、50代で144BPM、といった具合です。アウトロのドラムロールでは更にじわじわと速くなっていき、最終的には162BPMまで上がります。

 

 

合わせて、歌も録り直しました。因みにキーもBPM同様に、じわじわと上がっていきますが、3番 (50代) ではまた元のキーに戻しました。この辺も、聴いて気持ち良いからというより、我にかえったという感じを演出したかったからなのですが。

 

 

そうやって、ああでもない・こうでもないといろんな思いを巡らせて作っているのは、楽しいことは楽しいんですが、こういうのって、聴く側はどう感じるのでしょうか?一抹の不安を感じます。

転調などでメロディが大きく変わったり、リズムがポリリズムだったり変拍子だったり、よりも、数段違和感を感じます。もう少し詰める必要があるかもですが、取り敢えずはじっくりと聴き直す為にも、ちゃんと完成させたいと思っています。

 

 

 

 

 

以前の「50歳」を「55歳」に変えました。

 

 

【2021年5月26日】マライア「うたかたの日々」を聴く

立花ハジメさん「H」を聴いていて思い出したのが、同時期のバンド、マライア。早速レコード棚を探したら「うたかたの日々」(‘83年) がすぐに見つかりました。何故思い出したかと言えば、カラカラに乾いた音像とサックスの音が「H」と共通しているからではないかと。音楽性は全く違うのですが。

 

 

このマライアというバンド、当時はジャズ/フュージョンでもなく、プログレでもなく、ニュー・ウェイヴでもなく、実に微妙な立ち位置に居たバンドだったと記憶していますが、今、レコードを聴きながらいくつかのサイトでこのバンドの情報を収集していたら、近年になって国内及び海外で著しく高く再評価されているとのこと。

 

 

 

それでこのアルバムですが、先ず音質がとっても良いです。今になって45回転2枚組にした理由が分かります。音の質感をダイレクトにリスナーに届けたかったからでしょう。PIL「メタルボックス」と同じ発想なのでしょう。

余計な音を一切削ぎ落としたミニマルでクリアな音像から聴こえてくるのは、日本的なるものと西洋的なるもののせめぎ合いです。当時の流行りだったテクノ的な音響やゲートリバーブなどが極力入ってないのも、古く聴こえない理由ではないかと。ベースのアタック音とマリンバのオーガニックな音色が特に印象的です。

 

 

 

この頃は、YMOや一風堂その他、オリエンタルな旋律を奏でていたミュージシャンが結構いました。オリエンタルな旋律は周期的にリスナーの需要があるみたいです。近年だと、中田ヤスタカさんのサウンド (Perfume、きゃりーぱみゅぱみゅ等) が一般に受けています。

 

 

そのほとんどの全てのミュージシャンたちは、ちゃんと「オリエンタル」と意識して鳴らしています。まああざといと言えばあざといのですが、その中で、ごく一部、あざとさを突き抜けて遥か昔の日本っぽさを感じさせてくれるアーティストが、今も昔も確かに存在しています。

 

 

 

マライアもそんな音を鳴らす貴重なバンドです。マライアの東洋的な旋律は、今だからこそ正当に聴かれる音なのではないか、そう感じます。美しい旋律は鳥肌モノです。40年近い年月を経てあらためて聴くと、同時代のどのバンドとも違った地点に立って・違うところを見据えて、音を鳴らしている、そう感じます。(褒めすぎかな)

 

 

 

 

 

このアルバムはYouTubeでも聴けるので、興味ある方は是非一聴してみて下さい。