当初「ユメヒトヨ」で、久保田早紀さん「異邦人」のような、マイナー調からいきなり光が射すようなメジャー調への転調を考えていましたが、結局それはボツになりました。とはいえ自分では気に入っている展開なので、このパートを元に、新しく曲を書いてみようかと何気に考えていました。
さっきたまたま、ヒップホップのエミネムさんの曲をランダムに流していて、そのうちの「スタン」というヒット曲を聴いている時に、そう言えば、この曲で使われている (サンプリングしている) 曲は、たしか「異邦人」のような転調をする曲だったと、ふと思い出しました。
その曲は、イギリスのシンガー・ソングライター、ダイドさんの「サンキュー」という曲です。おそらく、「スタン」を気に入った方の多くは、この「サンキュー」も聴いているのではないかと思います。私もそうでした。
「サンキュー」は、アコースティックな構成ながらもビート感覚はR&B調の曲です。調べたら、「サンキュー」が ‘99年、「スタン」が ‘00年のリリース。ちょうど日本でもR&Bやヒップホップがメジャーシーンでも聴かれ始めていた頃です。
「スタン」は日本でもそこそこヒットしていたので、メロディを聴いたら「この曲か〜」と分かる方も多いのではないかと思います。とてもきれいなメロディの曲です。
この「サンキュー」、Aメロが「スタン」にサンプリングされているパートで、メランコリックなマイナー調のメロディなのですが、サビに入ると一転してメジャー調に転調して、パッと光が射したように聴こえます。この辺は「異邦人」っぽいのですが、「サンキュー」は、この後も最後までメジャー調のままです。
数日前の大貫妙子さんや斉藤和義さんではありませんが、十数年間聴いてないのでPCにも入ってなく、CDを探して聴き返しました。で、聴いているうちに、自曲のR&B調の曲「ひみつの言葉」で、この前作った転調パートを使えるんじゃないかと思った訳です。
という事で、早速リズムトラックの打ちこみを始めました。「ひみつの言葉」はとてもシンプルな曲で、シンプル過ぎる故に今一とっつきにくかったりもするのですが、少し変化を入れることによって、ポップに生まれ変わるのではないかと。「サンキュー」の数分の一でも聴きやすい曲になればいいなあと思っています。
「スタン」が入っている「ザ・マーシャル・マザーズ・LP」と、「サンキュー」が入っている「ノー・エンジェル」。