「サマー・マッドネス」は、アメリカのファンク・バンド、クール&ザ・ギャングの ‘70年代の隠れた名曲。そのメロウでゆったりとしたグルーヴは「真夏の狂騒」というよりも、狂騒の後に静かに夜が更けていく、そんな雰囲気の楽曲で、生エレキ・ベースのブイブイした音や、アープ・シンセの持続音に耳を奪われます。
タイトルに「サマー・マッドネス進行」と書きましたが、この曲には「進行」と言えるほどのコード展開はなくて、基本二つのコード、Bm7、C♯m7 のくりかえしで成り立っています。ここに、いろんな音が絡んでくる訳です。この絡み具合が絶妙です。
少し前に、’80年代のソフト&メロウの名曲である「ジャスト・ザ・トゥ・オブ・アス」のコード進行が流行っていることについてのブログ記事を上げました。その記事を書きながら思ったのが、「じゃあ自分は『サマー・マッドネス進行』で一曲作ってみようかな?」でした。絶対にいい感じの曲が出来るのではないか、と予感?した訳です。
この曲、先ほど書いたようにコードは二つです。しばらくこの二つのコードをリピートして鳴らしながら、合わせてメロディを手探りで探しました。(コード先の場合、「作る」ではなく「探す」の言い方がしっくりきます)
そのうち、何とかそこからメロディが上手く発展していきました。結局、Aメロは基本、Bm7、C♯m7 のくりかえしを踏襲して、部分転調を差し込みつつ、Bメロでメロディとコード進行を違うふうにと発展させてみました。
ドラムは’90年代ソウルの隠れた名曲「ライク・マーヴィン・ゲイ・セッド」をサンプリングしました。それで何となくですが、曲らしきものになってきました。
この曲は、’90年代にブレイクしたヒップホップ・ユニット「アレステッド・ディベロップメント」のリーダーであるスピーチのソロ曲。マーヴィン・ゲイの名曲「ホワッツ・ゴーイン・オン」のカバー・ヴァージョンです。 ’70年代のニュー・ソウル、ソフト&メロウ、の流れを汲んだサウンドで、ドラム音が実にいい音で鳴っています。
今後、どう発展していくのかとても楽しみです。