二日前に生まれた「たった一つの言葉を探して」で曲の一部で使ったメロディック・マイナー・スケール。自分で作っておきながらお恥ずかしい話ですが、実は私は、この曲のメロディがこのスケールで鳴っているという事を、ソフトに教えてもらったんですよ。
私の使っている音楽制作ソフト、Cubaseは、Ver. 9.5です。このヴァージョンのCubaseには「コードトラック」という機能が付いていて、AとかCとかのコードネームを入力すると、自動的にそのコード音が指定の楽器で鳴らす事が出来、コード進行のスケールまで表示されるという便利な機能です。
これは、私のように楽器のテクニックがさほどなく、頭の中では鳴っている複雑な和音を実際に鳴らしたいけど思うように自分の指でちゃんと鳴らせない、そんな人にうってつけの素晴らしい機能です。D♯m7+13/A♯、などといった、手弾きでは、鳴らすのに二つの意味 (心と指) で骨が折れそうなテンション&分数のコードなども、打ちこめば即鳴ります。
とりあえずメロディと並行してコードトラックを鳴らしてみて、メロディとコード進行を決めて、固まったら、そこから展開形とか、より曲想に合う響きに発展させる、私はそんな使い方をしています。
上記のメロディック・マイナー・スケールも、メロディを自分的に心地良い響きに進行させてから、ふとソフトのコードトラックのスケール表を見るとこの表示があったので、こういうスケールだと分かった次第です。なるほど、メロディック・マイナーというのはこういう感じの響きを指しているのか、と。(メロディック・マイナーやハーモニック・マイナーは、名前しか知りませんでした。。)
そして名前しか知らなかったので、取り敢えずどんな音階なのかと調べてみました。音楽理論の無知さをカミングアウトしてるみたいで恐縮です。(具体的にどんなのかは、長くなるので割愛)
鍵盤で実際に鳴らして思ったのは、普通のマイナー・スケールとメジャー・スケールの間をとったというか、両方のメロディが鳴らせる音階だという事です。
この音階でメロディを歌わせれば、自然に明るくなったり暗くなったり、あるいは曇ったり、メジャー・マイナーというハッキリとした区別なく、自由な感じにメロディを展開出来るのではないかという事。但し、そこまで表現出来るようになるには、かなりの音楽的素養が必要。
音楽的約束事 ー次に鳴らしやすいコードや単音、鳴らしてはいけないコードや単音などー が、普通のメジャー/マイナー・スケールに比べてとても少ない (だけども、使うコードは難しいのばかりになりますが)。そう考えると、まさにジャズにうってつけの音階です。以上、これはどこかに書いてあった事ではありません。鳴らしてみての私の実感です。
以前お世話になった音楽教室のT先生は、口ぐせのように「理論は後付けだから」と仰っていました。この曲を作って、ほんとにその通りだと感じます。
それで頭に浮かんだのが、スティーヴィー・ワンダーさんの楽曲の数々。
ちゃんとコードとかスケールとか調べた事はありませんが、聴く限り、テンション・コード多用・転調多用、スケールも、ナチュラルは勿論、メロディックやハーモニックなど多用していそうです。つまり、自由自在。複雑で繊細で、それでいて極めてポップで聴きやすい (←ここが一番すごいところ)。奇跡のような音楽です。今度ちゃんと調べてみたいと思います。
特に‘70年代の作品群は、よく言われる事ですが、それこそ神がかっています。
マイ・ベストは「キー・オブ・ライフ」(‘76年) と「シークレット・ライフ」(‘79年)。一枚選ぶとなると、「シークレット・ライフ」。全ての音楽ファンにオススメ。一言だけ。「とにかく聴いてください」