【2019年10月17日】「限りなく穏やかに」ラフなトラック出来ました 〜 打ちこみと生演奏について

前回「…コード進行がロックンロールで、アレンジがバンド・サウンドっぽくて、打ちこみだとジャスト過ぎて不自然に聴こえるため…」と書きましたが、どうしてロックンロールはそうなんでしょうか?

 

 

結論から言えば、それは単純に、長年の耳の慣れから、そう感じるのではないかと。子どもの頃から、ロックンロールは揺れる演奏がグルーヴを生み出して、それを聴いて快と感じていたからです。

ローリング・ストーンズなどいくつかのバンドは、そんな揺れるグルーヴを自分たちの音楽性としています。個人的には、打ちこみのジャストなビートに、キース&ロンのギターが絡む音を聴いてみたいと思いますが、そんなことは絶対にしないでしょう (笑)。

 

 

 

‘80年代半ば、それまでロックンロール同様に人力演奏でグルーヴしていたレゲエが、カシオトーンで作ったジャストなリズムとペラペラの音の「スレンテン」というリズムトラックに、シーンを席巻されました。

当時私はリアルタイムで体験しています。大袈裟に言えば、一種の踏み絵のようなトラックでした。この音 (コンピュータライズドと呼ばれた) を受け入れた人は、以降のレゲエも聴き続けたのでしょう。

私の耳はこのトラックに拒絶反応を起こして、以降のレゲエは聴かなくなりました。

 

 

 

日本でも、YMOが登場した時に、拒絶反応があったのは大人です。機械に演奏させる音など音楽ではない云々。高校生だった私はすぐに飛びつき聴いていました。

今思えば「スレンテン」がシーンに登場した際、私は保守的な耳の大人側に立っていた訳です。

 

 

「スレンテン」、今聴くと、ペラペラでグルーヴのないジャストな音はそれなりに味わいがあります。先入観というのは怖いものです。感性の硬直化ですね。ジャマイカ人は音楽に対して柔軟だなあと、今にしてあらためて思いました。

 

 

 

ところで私の「限りなく穏やかに」。実は私よりもギターの弾ける、知人の息子さんに、この曲のギターをお願いしています。打ちこみ+生演奏、で、どんなグルーヴが生まれるのか楽しみです。

 

 

 

 

 

これがその始まり。ウェイン・スミス「スレン・テン」(‘85年)。

 

 

 

多くのジャマイカンが、このリディムでトゥイストしています。(←トラックに乗せて歌っています、の意)