【2018年10月1日】言い訳無用のポップ・ミュージック

「死について思うこと」のトラックが出来上がって、あとは歌詞の修正と歌入れだけとなり一息ついて、本日から新曲のレコーディングに入りました。

 

 

いきなりレコーディングというのも変な言い方ですが、ソフト制作の場合やり直しが容易なので、音を重ねながら曲想を煮詰めていく事になります。要するに、レコーディングしながらメロディやコードを作っていくという訳です。

 

 

いつもの私の曲は、事前にギターやキーボードを弾いて、ある程度メロディやコード進行が固まってからレコーディングに入りますが、今回は、取り敢えず4つ打ちのキック・ドラムをBPM130に設定してリピートで鳴らして、そこからスタートしてみました。今回は下準備は何もありません。初めての試みです。

すぐにコードとメロディが決まりました。

 

 

久しぶりに、アップ・テンポでポップなメロディの曲になりそうです。このところ、意図してスローな曲ばかり作っていましたが、実は知り合いのクリエーターが、とあるインディー・レーベルからデビューしている女性ボーカリストの方が歌う楽曲を探していて、私にもお声が掛かったので、それじゃあがんばってみようか、と思った為、意図して歌いやすく聴きやすい曲にしようと思った次第です。

 

 

で、まず思ったのは、自分が歌う楽曲だと、100%自己責任というか、誰にも迷惑が掛からないので、以前の「焚き火」のような変わった曲でも、普通にHPにアップしたり、CDRに焼いてプレゼントしたり出来ますが、人に書く曲はそうではないという事です。

 

 

 

以前、ものすごく歌の上手い女性ボーカリスト、Nadaさんに、ビートルズの「アイ・アム・ザ・ウォルラス」を、私がアレンジし、制作した音源で歌って頂く事になりました。

結局何だかんだで、自分の曲の数倍の時間とスキルを使って、ようやく完成しました。(音源はyoutubeにアップされています。「I am the walrus / Nada」で、閲覧出来ます。ぜひ聴いて下さい。歌はとても上手いです)

 

 

自分じゃない人が歌う為に曲を書いたり、たくさんの人に聴いてもらおうと思ったり、つまり、表現に「他人目線」が大きく入ってくると、作るのが途端に大変になってきます。自分のちっぽけなエゴが許されなくなってきます。メジャーなシーンで活動している方々にしてみると、そんなの当たり前じゃないかと思われそうですが。

 

 

昔は「ポップ」という言葉は卑下した言い方に聞こえました。「あいつはポップな売れ筋に走った」とか。

でも今は違います。今「ポップ」という言葉は、どれだけ多くの人たちの琴線に触れることが出来るか、そのバロメーターのようなものです。これだけ感性・価値観・及びジャンルが多様化している中で、誰もが認める「ポップ」な音楽はそう簡単には作れません。作れないから、みんなマニアックな居場所を求めているのだと思います。言い訳が出来る居場所を。「ヘヴィメタ村」「ヒップホップ村」「パンク村」「ヴィジュアル村」「ボカロ村」「シンガー・ソングライター村」…。

 

 

私の作る「ポップ」は、果たしてどんな音になるのでしょうか。自分の事ながら興味津々です。

 

 

 

 

USAシーンで今一番ポップな二人。カントリー村のシンガー・ソングライター、テイラー・スウィフトが、feat. にヒップホップ村NO.1ラッパーのケンドリック・ラマーを迎えた「バッド・ブラッド」(‘15)。当然のようにNO.1ヒットでした。