星野源さんのニュー・アルバムのタイトル・チューン「POP VIRUS」のPVを観て (聴いて)、ビックリ。最近の数曲は「恋」とか「ファミリー・ソング」とか、メンフィス・ソウルっぽいオシャレなシングル曲でしたが、今回のはタメの効いた音数が少ないスローなファンク。シングルではないようですが、アルバムの一曲目でPVも作っている事から、気合いの入りようが分かります。
恒例の?バックのダンスが、今までのカッチリしたパターンではなく、何となく盛り上がっていく感じが、曲にマッチしています。徐々にポップ・ウイルスに侵されていく感じがします。
「Flamingo」を聴いた時も思ったのですが、ここにきてJ−ポップのトップ・ランナーたちが、それまで隠し味的だったブラック・ミュージックを、ストレートに表現し始めています。ストレートといっても、ちゃんと個々の音楽に咀嚼して落としているのですが。
少しずつ、少しずつですが、ヒップホップ・カルチャーがJ−ポップのメイン・ストリームに侵食しつつある事を感じます。’00年前後のR&Bブームを思い出します。J−ポップ界はその後AKBなどのアイドルが席巻してしまい、世界の音楽シーンからガラパゴス化してしまいましたが。。
星野源さんのインタビュー記事が、先日のyahoo!ニュースに上がっていました。
それまで生きるってことに対して『息苦しいななんか』『これずっと続くのかな』みたいなことを考えてた子供だったんだけど、(その一言を言って)スカっとした時に、俺これで生きれるって思って。
それで演劇とか演じるってことをその後も学校の中で繰り返すようになって。もうそれ以外できない感じっていうか、音楽もずっとその時からやっていて、カセットテープに自分のオリジナルをただ入れる(録音)っていう。アルバムをただただ(作る)。
やっぱり闇が深い人なんだなと (笑)、納得しました。星野源さんにとっての音楽や演劇は、闇を照らす光なんでしょう。そうでないとこんな歌、歌えないです。
「POP VIRUS」
音の中で 君を探してる
霧の中で 朽ち果てても彷徨う
闇の中で 君を愛してる
刻む 一拍の永遠を
(一番の歌詞より)