【2019年11月3日】アナログ盤でしか聴けない音源たち 第一回 〜 プリンス&ザ・レヴォリューション、ライヴ・アルバム

実家に帰った際、例によってアナログ・レコードの整頓をしました。以前にも書きましたが、CD化されていないレコードがとても多く、今回はそんなレコードの中から、割と有名なアーティストのをピックアップしてみました。

 

 

 

 

先ずは、プリンス&ザ・レヴォリューション。大好きなアルバム「アラウンド・ザ・ワールド・イン・ア・デイ」(‘85年) からカットされた12インチ・シングル盤。

 

 

 

 

左「ペイズリー・パーク」

 

開放感溢れるこのアルバムの、UKで最初にシングル・カットされた「ペイズリー・パーク」のロング・ヴァージョン。このアルバムのテーマ・ソング的な曲です。

カモメの鳴き声のような声?音?が心地良く、印象に残っています。ドラムの音がアルバム・ヴァージョンよりも更に抜けが良く聴こえ、このアルバムの開放的気分を象徴しているようです。

ちなみに日本やアメリカでカットされたのは、ポップな「ラズベリー・ベレー」。こちらの12インチ・シングル音源はCD化されています。

 

 

右「アメリカ」

 

20分を超えるロング・ヴァージョンは圧巻でした。CD化が望まれます。

あと、「ポップ・ライフ」の12インチもあった筈なのですが、何故か見当たらず。。A面「ポップ・ライフ」B面「ハロー」の両ロング・ヴァージョン共、CD化されてない筈です。

 

 

 

 

次はライヴ・アルバム。

 

 

 

 

左「カンボジア難民救済コンサート」(‘81年)

 

 

ロンドンで行われた、当時のカンボジア難民救済の為のチャリティー・コンサートをレコード化。

初めて聴いたのは、渋谷陽一さんの「サウンド・ストリート」で。ザ・フー「シー・ミー、フィール・ミー」に興奮しました。大学生になってから、中古盤を購入しました。

 

 

ニュー・ウェイヴのアーティストの音源も多いのですが、やっぱりザ・フーが一番でした。一曲目「ババ・オライリー」は衝撃の一曲で、この曲を聴いて「フーズ・ネクスト」を購入しました。シンセサイザーの使い方は、’71年の曲とは思えない斬新さです。

 

 

知人に「ライヴ映像がある」と聞いていたので、検索してみると、ニコ動とYouTubeで一部上がっていました。ニコ動で「シー・ミー〜」観ましたが、やっぱり凄い!観客の興奮も尋常ではありませんでした。

 

 

 

 

こんなに豪華?な出演者たち。今になって思うに、’80年代の音楽界のチャリティー・ブームのはしりのようなイベントでした。

 

 

 

 

 

中央、デヴィッド・ボウイ「デヴィッド・ライヴ」(‘74年)

 

 

このアルバムはCDでもリリースされているのですが、音質が全然違います。違うアルバムのようです。

LPを最初に聴いた時には、あまりの音の酷さにビックリした記憶があります。楽器音や歌が分離し過ぎていて浮いて聴こえたり、音が薄っぺらくて抜けが悪かったり。。声も掠れかすれで別人のよう。そもそも、ジャケットからして、半分死んでいるような雰囲気です。

 

 

それからアレンジも、グラム・ロック期からプラスティック・ソウル期への過渡期だった為か、実に中途半端。痛快なギター・ロックの「レベル・レベル」が、いきなり「ラララ〜」と、ソウルフルなコーラスから入ったり、デカダンスな魅力の「アラディン・セイン」がサルサにアレンジされてホーンが入ってラテンっぽく変わっていたり。。(今聴くと、これはこれで悪くない 笑)

つまりは「これはロックじゃない」と感じたのだと。

 

 

そんなこんなで殆ど聴くことがなかったこのLPですが、リマスタリングされてCD化された音源を聴いたら、認識が180度変わってしまいました。

ミックスが良く、音が格段に良くなった (というか、普通になった) このアルバムを聴いて思ったのは、これは過渡期の、ロックからソウルに変わる一瞬を捉えた極めて貴重な記録だ、ということです。

 

 

このライヴの、数ヶ月前でも数ヶ月後でも、音は全然違っていたのではないかと推測出来ます。それ程、この時期のボウイさんは音楽性の変化が速い時期でした。「ダイヤモンド・ドッグス」「デヴィッド・ライヴ」「ヤング・アメリカンズ」と続けて聴くと、すごくしっくりときます。

 

 

そもそもかつてのボウイさんは、オーディエンスの期待を裏切り続けていました。裏切り続けて数十年、気付いたらレジェンドになっていた、という感じでしょうか (笑)。

生々しくて変な音のこのLPを、また聴いてみたいなあと。まだまだいろんな発見がありそうな気がします。

 

 

 

 

→右、一風堂「ライヴ・アンド・ゼン」(‘84年)

 

 

YMOを別格として、日本で一番売れたニュー・ウェイヴ・バンド「一風堂」のライヴ・アルバム。たしか中古レコード屋さんのセールで何気に購入したこのアルバムですが、意外に良くてよく聴きました。

CD化されてないと思っていましたが、今調べたら、8枚組のBOXセット「MAGIC VOX 一風堂 ERA1980-1984」の5枚目に、ボーナス・トラック付きで丸々収められていました。が、せっかく画像も撮ったので、記事はこのまま進めます。

 

 

このアルバムの聴きどころは何と言っても、パーシー・ジョーンズ&スティーヴ・ジャンセンのリズム隊です。お二方共に、土屋昌巳さんのソロ・アルバムで弾いていますが、このライヴ・アルバムのプレイも素晴らしかったと記憶しています。

特に、ベースのパーシー・ジョーンズさん。プログレ系のバンド「ブランドX」出身ですが、ポップなバンドとのプレイに真価が発揮されてる気がします。私がプログレ系が苦手だから、そう感じるのかな。。

 

 

 

と、ここまで書いたところで読み直すと、今回は結構書いていますね。撮った画像はまだあるので、続きは次回に。