昨日の夜、表現行為についてブログを書いていたら、ある日本人アーティストを思い出しました。
” あぁ、部屋のドアに続く、長く果てない道…。
平行線の二本だが、手を振るくらいは…。
あぁ、全てが人並みに、うまく行きますように。
暗いだなんて言うなって。全てよ、運命の想うままに。 “
” 愛が、全ての人達へ…。
あぁ、全てが人並みに…。あぁ、全てが幸せに…。
あぁ、この幼稚な気持ちが、どうか、永遠でありますように。
– 僕の人生はバラ色に変わったーっ!! – “
中村一義氏「永遠なるもの」(’97年) の歌詞の一部です。この曲は何度聴いても、比喩ではなくホントに鳥肌が立ちます。
当時は、引きこもりの宅録少年がいきなりメジャーのレコード会社からデビューした事で、J-POPシーンではちょっとした話題になっていました。
中村氏個人の趣味全開の音で、歌われているのは徹底して個人的な事という、まさしく宅録アーティストの典型パターンなのですが、その音は全然宅録っぽくなく、何とバンド・サウンドで、かのビートルズっぽい (特にドラムのノリ) というのがユニークでした。ポップで大きく開けています。
いろんな方のデビュー・アルバムを聴いてきましたが、私の中では、この曲が収録されている「金字塔」が、一番です。デビューまでの中村氏の人生全てが、このアルバムによって、プラスに転化されているという意味でです。
人生の一発逆転ホームランってあるんだなあと、「永遠なるもの」ならびにアルバム「金字塔」から教わりました。
「あぁ、全てが人並みに、うまく行きますように。」は、心に刺さりました。
中村一義のオリジナルアルバム4枚、バンド100sとしてのアルバム3枚、初CD化となるデモ音源DISC1枚、過去のビデオクリップを収録したDVD1枚が入った豪華BOXセット「魂の箱」(2011年)。
ずっと追っていましたが、「金字塔」の思い入れが強いためか、リアル・バンド・サウンドになってからの音には、どうも馴染めませんでした。
このBOXセットを購入して、一週間ほどかけて、改めてちゃんと聴き返しましたが、やはり1st.が一番です。次に打込み主体の3rd.が、自分にはリアルに聞こえました。アンサンブルとかは、後の方がこなれているのですが。
その中の「金字塔」です。個人が世界に繋がった瞬間です。ジャケットも素晴らしいです。(画像を拡大して、よ〜く見てほしいです)