タイトルは、ボクシングで言うところの「左を制する者は世界を制す」を捩った私の造文?です。それぐらいに、今の欧米のポップ・ミュージック・シーンでは、重低音に比重を置いた曲が主流となっています。’70年代半ば〜’80年代初頭のレゲエ以来だという気がします。
元々、重低音を響かせたベース・ミュージックは、クラブ・シーンではかなり前から注目されていたそうですが、ここにきて一気にポップ・シーンでもメインのサウンドになってきています。私はこのブログで何度も何度も、ベース礼賛、低音万歳!的な記事を書いている程の低音好きなのですが、よもや時代のメインの音楽が低音に振れるとは思ってもみませんでした。
意識したのは、ビリー・アイリッシュさんのブレイクからです。彼女の重低音をアクセントにしたサウンドメイクは、今や女の子のポップシンガーの範疇を超えて、世界中で支持されています。
昨年、初めてちゃんと聴いた時、「今やこういうのがメインになってきてるんだ…」と、ちょっとしたショックでした。
ドレイク、ジェームス・ブレイク、ケンドリック・ラマー…。時代のトップランナーたちは、皆んな低音の響かせ方が上手く特徴があります。ビリー・アイリッシュさんも、若くして既に、そんなトップランナーたちと肩を並べている感がします。
数日前のフェス記事で「…クラブ系のアーティストの鳴らす重低音がとてもきれいに響いていて、身体中の血液や内臓がいい感じで震えたような気がしました…」と何気に書きました。
昔 (ザックリですが、20世紀末まで) は、はっきり言って、低音がキレイに響く音響環境というのが、なかなかありませんでした。ライブもそうですし、個々人のオーディオ環境もです。スピーカーやヘッドフォンなどにも、それなりにお金をかけないと、いい音で重低音が響きませんでした。メインのフォーマットであるCD自体も、重低音軽視のミックスがなされていました。
ところが今や、イアフォンでも「重低音」をウリにしている商品が多く、今回のように、ちょっとしたライブの音響設備でもキレイに響きます。そんな機材の進歩も、ベース・ミュージックが一般的に普及してきた事と絶対に切り離せないと、私は思います。
キレイに響くから聴く人が増える、聴く人が増える事で更に演る人も増え、クォリティが上がっていく、なので機材も更に良くなっていく、そして更にキレイに響くから…。まさにプラスのサークルです。
という訳でいきなりですが (笑)、私の今作っている「Dance Dance」は、モロにそんな重低音のベースが鳴っている曲です。ベースの音像を決めるのにも、時間を使っています。出来上がりが、自分でも楽しみです。
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ベース・ミュージックの元祖的アルバム、PIL「メタル・ボックス」(‘79年)。何と40年前!。。