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【2021年4月24日】「一枚の絵」仮歌入れしました 〜 小沢健二の歌い方についてあれこれ

数週間前、g君とスタジオ入りした際に録った曲で、それから煮詰まっていて放っておいた曲「一枚の絵」、いきなり歌詞と歌い方が閃いて、歌入れを行いました。以下、その経緯を。

 

 

 

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数日前に知人と喋っていた際、たまたま小沢健二さんの歌い方の話になりました。

知人は「一生懸命歌ってる感がいい」と言っていましたが、とっさに私は「あれは一生懸命というより、意図的に、一音一音、区切って歌ってるんじゃないかな〜。オザケンの曲って基本ファンクで。ファンク・ビートに日本語を乗っけるのって、流れるように歌うよりも、ああいうブツブツとした歌い方の方が、いい感じに聴こえるからね〜」と返していました。

 

 

深く考えてそのように返した訳ではありませんが、あとから思ったのは、自曲でも、ファンク・ビートを基調にした「続いていく世界」「月を仰ぐ人々」を比べると、流れるように歌っている「月を仰ぐ人々」の方がJ–POPっぽく聴こえるなあと。ビート感や切れ味は「続いていく世界」の方があるなあと。(だから、こっちがいい曲という意味ではありません)

 

 

 

それで、上手く歌えなくてストップしていた、スローなファンク曲「一枚の絵」の、歌メロディの途中途中に、オザケンのR&Bアルバム「エクレクティック」(‘03年) のように、区切りを付けて歌ってみました。

 

 

このアルバムの歌唱は、メロディの流れを寸断するように歌う、ウィスパー・ヴォイスのメイン・ボーカルに、コーラスのアメリカ人の女性の歌う変なアクセントの、メイン・ボーカルとは逆に、流れるような日本語を絡ませており、不思議な感触がクセになります。

これって実は、結構画期的なボーカル・スタイルを提示してるんじゃなんじゃないか、とリリースから数年経って思ったものです。

 

 

歌詞の文脈と関係ないところでいきなり音節を区切って歌う、をメジャー・シーンで一般的に認知させたのは、私の知る限り、多分宇多田ヒカルさんが最初ではないかと。(デビュー曲「オートマティック」)

「エクレクティック」は、そんな方法論を踏襲して、且つ発展させているスタイルなのではないかと。

 

 

そして最新アルバム「So kakkoii 宇宙」でも、そのブツ切りボーカルは更に顕著で、「フクロウの声が聞こえる」「彗星」など、他の人が歌ったらちゃんとした曲に聴こえないんじゃないか、というレベルにすら達しています。今更ながら、凄いボーカルだなあと思います。

 

 

 

 

それで自曲の話に戻りますが。「エクレクティック」を参考にして歌ってみたところ、これがしっくりとサウンドに乗った感がします。でも、区切って・区切って歌うのって結構難しくて。

もう少し練習して煮詰めて、本番に備えたいなと。

 

 

 

 

 

「エクレクティック」。声だけではなく、ベースの重低音も実にいい感じです。

先程「R&Bアルバム」と書きましたが、R&Bとは似て非なる音楽な気がします。

 

 

【2021年4月23日】ベイ・シティ・ローラーズのレスリー・マッコーエン死去

 

 

 

ベイ・シティ・ローラーズは、私が洋楽にハマりつつあった小学生高学年の頃に大人気だったイギリスのバンド。クイーン、キッスと共に、最初に好きになったバンドです。レスリー・マッコーエンさんは、そのベイ・シティ・ローラーズのボーカリスト。

 

 

今となっては、同期?の人気バンド、クイーン、キッスに比べて全く評価が低いのですが、少なくとも日本では、洋楽を聴きはじめの子どもたちの間では知らない子はいない程人気がありました。

 

 

 

中1?小6?の頃 (どちらか憶えていない)、何かのきっかけで、同級生の女の子の家に遊びに行くことになりました。ドキドキしながら男女数人で話をしていて、何かの拍子に、その女の子とその子の姉が持っていたレコードを聴かせてもらいました。

そのレコードは、私がいつもラジオで聴いて好きだった、クイーンやキッス、ベイ・シティ・ローラーズでした。

 

 

それまでラジオでしか聴いたことのなかったそれらのバンドの曲を、初めてポータブル・ステレオの大音量で聴いて大変なショックを受けたのは言うまでもありません。精神年齢はそこで止まったまま40数年が過ぎていった、そんな気がします。

 

 

 

以上を、レスリー・マッコーエンさん死去のニュースを知り、一瞬で思い出しました。そのレコードたちを聴かせてくれた女の子は、若い頃に他界しています。月並みな言いまわしになりますが、その女の子は今頃天国にやってきたばかりのレスリーさんをお出迎えしているんじゃないか、そんなことを考えました。

謹んでお悔やみ申し上げます。