【2017年12月6日】「金魚屋古書店」読みました

ブラリと入ったラーメン屋に置いてあったマンガ。何気なく手にとって読んでみると、これがとても面白く、ラーメンを食べ終えても席を立たず、最後まで読んでしまいました。「金魚屋古書店」というマンガです。私が手にしたのは、その1巻。

 

 

このマンガは、実際に世に出ているマンガについてのマンガです。といっても、バイヤーズ・ガイド的な内容ではありません。人の心情や人と人との繋がりを、実際に描かれたマンガを素材にして表現しているという感じを受けました。料理漫画でいうと「美味しんぼ」よりは「深夜食堂」といった趣があります。(「美味しんぼ」も最後の方は、原作者の世界観が炸裂していましたが。)
逆に言うと、そんな心情を表現する事によって、作中で取り上げているマンガの本質的なところに触れようとしている感じを受けました。1巻を読む限りだと、20年以上前のマンガばかりで、私は殆ど知っていました。知っていたから余計に面白く感じたのかもしれません。

 

 

私が手にした1巻の第1話に、この物語のマニフェストというか、テーマとも言える思想を、登場人物が語っています。登場人物のセリフというより、作者の呟きに感じました。

 

 
人の身体が たんぱく質やビタミンの成分で できているように
人の心は 時間と思い出の成分でできている
だから自分の昔を思い出す事は
「現在 (いま) の自分の本当を 知る事なんだ」って
「自分の心が どんなモノからできあがっているか」
その事を思い出すんですよ。

 

 
私がこうしてささやかながらブログを書いたり歌を作ったりしているのにも、ピタリと当てはまる言葉だなあと思いました。
作者である芳崎せいむさん (作中で扱っているマンガから、私とプラマイ10歳の年齢、少女マンガっぽいペンタッチとコマ割りからは女性ではないかと、勝手に推測。違ってたらスミマセン) の感性に感心しました。