【2017年6月7日】前回の続き〜音楽離れについて

前回はちょっと脱線して、好きな事についての話になりましたが、今回は、そのアンケートから感じた、音楽についての話。

 

10年位前と比べて音楽を聴く時間が「減った」と答えた人は45.2%で、「増えた」(39.5%)と答えた人を上回った。聴く時間が減った理由(複数回答方式)として多かったのは「音楽に接する時間がとれなくなってきた」(59.0%)や「良いと思えるアーティストや楽曲がなくなってきた」(34.1%)など。一方で、「音楽そのものに対する興味が薄れてきた」と答えた人は20.3%と比較的少なく、興味はあっても、忙しくて聴く時間がない、または聴くべき音楽がないという状況をうかがわせる。

 

音楽を聴く時間が減った理由の分析として「聴くべき音楽がないという状況」が挙げられています。これはなかなか興味深い考察です。

 

大概の音楽好きな人は、思春期に聴いた音楽ジャンルを、大人になってもそのまま聴き続ける、というパターンが多いかと思います。しかし、思春期に飛びつくのは、派手で尖ったものが多いような気がします。特に男性は。私の世代だとメタルとかパンクとか。そしてある年齢になったら、そんな若い頃に聴いていた音楽に、感性がついていけなくなり、離れてしまうというパターンが多いような気がします。

私は若い頃から、あまりジャンルには拘らずに聴いてきたので、そんな事はあまりありませんが、それでも明らかに、年齢とともに聴く音楽はかわってきています。そして、聴き方も。

 

離れるのは、その人に必要ないからです。それは人それぞれなので、あれこれ言うつもりはありません。ただ、歳を重ねてから聴く音楽は、若い頃よく聴いた同じ曲でも、違った風に聴こえたり、分からなかった歌詞が理解できたり、いろいろと新たな発見があり、若い頃の熱狂とは違う意味で、心に響いてきます。

更に言えば、歳を重ねれば重ねる程に、逆に音楽が必要となってくると思っています。

 

今このブログを読んでいる30歳以上の方で「そう言えば最近あまり…」と思われた方。騙されたと思って、まずは若い頃に好きだった曲を引っ張りだして、何度か聴いてみて下さい。きっと当時の思い出以外に、良くも悪くもいろんな発見がある筈です。

 

私の若い頃は、「ロック離れ」という言葉がありました。あと、私のひと昔前の世代の言葉だと、「Don’t trust over thirty」というのもありました。両方とも、今では死語になっています。ロックが、若者のものだった時代のワードです。その若者たちが、今の50代以上の連中です。時の流れには、誰も抗えません。

 

 

そして青春期の終わりと同時に、まるでその役目を果したかのように、その命も尽きてしまったアーティストも、私のひと昔前の世代には、少なからずいました。

画像は、27歳で夭逝したザ・ドアーズのジム・モリソン。彼がもし30歳を過ぎても生きていて、音楽活動を行なっていたら、どんな歌を歌っていたでしょうか。

きっと思春期的な感性のまま、30代以降の成熟した大人が聴ける歌を、歌っていたかもしれません。(日本人だと、尾崎豊もそう。)