【2017年8月6日】ロックンロールのイノヴェーション〜デヴィッド・ボウイ「ヒーローズ」

前回の続き。前回同様ちょっと音楽的すぎる話かもしれませんが、ヨロシクです。
スリーコードのロックンロール話だと、ぜひとも語っておきたい曲があります。

 

 

AメロのD→G→D→Gのツーコード進行から、BメロにCやAm7が入る、デヴィッド・ボウイ「ヒーローズ」(’77年)。同タイトルのアルバムの、タイトル・チューンです。
シンプルだけど奥深く、スリーコード・ミュージック (ロックンロール) の進化形の、一つの代表のような曲だと思います。40年前の曲とは思えません。
進化といっても、複雑化しているのでなく、シンプルな構造のまま新しくなっているところが、凄いところです。
もちろん高校生当時はこんな理屈ナシで、ただすごいすごいと言って聴いていただけです。

 

アルバムとしては、この一つ前の「ロウ」(’77年) の続編のような構成なので、順番に聴いてこられた当時のファンの方は、「ロウ」の衝撃の方が大きかったのではないかと思います。私は先に「ヒーローズ」を聴いたので、こちらの方が衝撃的でした。

 

当時読んだ雑誌のディスク・レヴューのひとつに「まるで大河の流れのよう」と書かれていましたが、あながち大袈裟な表現でもありません。大河のようにうねっている、本当にスケールの大きい曲です。Aメロ→Bメロ、の単純な繰り返しで、ジワジワと盛り上がっていきます。ボーカル・パフォーマンスも最高です。(一説によると、テイク・ワンだそうです!)

 

そういえばこの曲もそうですが、いわゆる「サビ」がない曲が多いのも、洋楽の特徴です。J-POPは必ずと言っていい程「サビ」があり、サビに入る前の導入のメロディまで用意されています。

 
そう考え、自分の作った曲を思い起こすと、スリーコードで作った曲は、数曲しかありません。
自分の場合ですが、メロディを作ったり、その作った曲をもっと良くしようと思ったら、まずはコード展開のバリエーションを考えてしまいます。(代理コードとか転調とかのテクニックなどを含めて)
日本人ミュージシャンは、私と同様に考えていらっしゃる方々が多分多いと思います。
まあスリーコードを単純に信頼して乗っかれないところが、日本人らしいところではあるのでは、とも思いますが。