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【2022年3月26日】レゲエのレコードを聴きながら 〜 「I & I」を考える

先日用事があって実家に帰りました。時間もあったので、中途半端になっていたレコードの整理をしました。今回は枚数も数百枚を数えるレゲエの仕分けを行いました。

仕分けの最中にそのレゲエのレコードを流していたら、数10年前の記憶が蘇ってきて、軽くトリップしました。昔、レゲエは人をしあわせにする音楽だと信じて (笑)、一生懸命に聴いていた頃に、ほんの少しだけ戻りました。

 

 

 

レゲエの歌詞に「I&I」という言葉がよく出てきます。この概念はラスタの思想からきています。他者と自分の関係を表す概念です。「私とあなた」(You&Me) や、「私たち」(We) では掬いきれない思いを表したのではないかと感じます。

「You&Me」と言うと、私と他者、的な断絶を感じ、「We」と言うと、同調圧力的なものを感じます。「I&I」を知ってから、そんな気がします。

「私とあなた」は、お互いがそれぞれ「個人」でありながらも根底ではちゃんと繋がっている感がする、そして個人同士がそれぞれ尊重し合えている感がする「I&I」が、しっくりきます。

 

 

レゲエは、昔から内戦の絶えない国であるジャマイカで’60年代末に生まれた大衆音楽です。平和な世界を希求する人々が生み出した音楽でもあります。

私がレゲエを聴いていた頃は、ある種のマニアが聴く特殊な音楽として位置付けされていましたが、今やレゲエの裏打ちリズムやダブのカットアップ的な音響及びレコーディング方法は、ロックのみならずヒップホップやR&B、エレクトロニカ…、いろんな音楽に波及しています。それだけ普遍性があったという事なのでしょう。私が熱心に聴いていた数10年前には考えもしませんでした。

 

 

そんなことをぼんやりと思いながら、久しぶりにレゲエのレコードに耳を傾けました。

 

 

 

 

画像撮ってくるのを忘れたので、これは以前上げたものから。

 

 

【2022年3月25日】みつとみ俊郎「音楽はなぜ人を幸せにするのか」読んでいます 〜 「No War 0305 Presented by 全感覚祭」映像に思う

 

 

 

数週間前に、リサイクル・ショップで購入した「音楽はなぜ人を幸せにするのか」。著者のみつとみ俊郎さんはミュージシャンです。タイトルにつられて購入しましたが、読まずにそのままになっていました。

その本を、ある映像をきっかけに読み始めたところです。

 

 

 

数日前になりますが、たまたまYouTubeを観ていて入ってきた「No War 0305 Presented by 全感覚祭」での大友良英さんのパフォーマンスに、目が釘付けになってしまいました。

「No War 0305 Presented by 全感覚祭」とは、去る3月5日に新宿駅南口にて行われた、戦争反対とウクライナ侵略によって傷ついた人たちのサポートを呼びかける集会で、何と一万人もの人々が集まったそうです。

パフォーマンスの前口上で大友良英さんは「戦争の反対は音楽です」と仰っていました。こう言い切る方は、私の知る限り大友さんが初めてではないかと。凄くインパクトがある言葉でした。

 

 

音楽にどっぷりと浸かっている方なら、この発言は自明の理の如く心に響きますが、残念ながら、世の中そんな人ばかりではありません。ウクライナでの戦争は未だ続いています。

そしてここ日本では「小さな戦争」として、世界一の自殺率を記録している青少年の自殺問題が挙げられます。対学校や対社会、対家族や対友人…。

 

 

 

大友さんの発言を観て、もっと音楽のパワーについて考えたいなあと、ふと思った時に、以前この本を購入したのを思い出して読み始めました。

私が普段感じている、そしてこのブログに上げている音楽についての文章とは、全く切り口が異なる文章です。昔よく読んだ音楽評論とも違います。しかしというか、だからとても面白く、衝動買いも捨てたものではないなあと。

読んで完結、ではなく、読んだ内容は咀嚼して、自分自身の音や言葉に少しでも反映させたいと思います。