先日用事があって実家に帰りました。時間もあったので、中途半端になっていたレコードの整理をしました。今回は枚数も数百枚を数えるレゲエの仕分けを行いました。
仕分けの最中にそのレゲエのレコードを流していたら、数10年前の記憶が蘇ってきて、軽くトリップしました。昔、レゲエは人をしあわせにする音楽だと信じて (笑)、一生懸命に聴いていた頃に、ほんの少しだけ戻りました。
レゲエの歌詞に「I&I」という言葉がよく出てきます。この概念はラスタの思想からきています。他者と自分の関係を表す概念です。「私とあなた」(You&Me) や、「私たち」(We) では掬いきれない思いを表したのではないかと感じます。
「You&Me」と言うと、私と他者、的な断絶を感じ、「We」と言うと、同調圧力的なものを感じます。「I&I」を知ってから、そんな気がします。
「私とあなた」は、お互いがそれぞれ「個人」でありながらも根底ではちゃんと繋がっている感がする、そして個人同士がそれぞれ尊重し合えている感がする「I&I」が、しっくりきます。
レゲエは、昔から内戦の絶えない国であるジャマイカで’60年代末に生まれた大衆音楽です。平和な世界を希求する人々が生み出した音楽でもあります。
私がレゲエを聴いていた頃は、ある種のマニアが聴く特殊な音楽として位置付けされていましたが、今やレゲエの裏打ちリズムやダブのカットアップ的な音響及びレコーディング方法は、ロックのみならずヒップホップやR&B、エレクトロニカ…、いろんな音楽に波及しています。それだけ普遍性があったという事なのでしょう。私が熱心に聴いていた数10年前には考えもしませんでした。
そんなことをぼんやりと思いながら、久しぶりにレゲエのレコードに耳を傾けました。
画像撮ってくるのを忘れたので、これは以前上げたものから。