【2018年4月24日】「バランスの芸術、英国で石積み大会」に思う 〜 ボブ・ディラン、つげ義春など

 

 

本日のYahoo!ニュースから。
実にどうでもいいことを競う大会ですが「英国内の他、米国、スペイン、イタリアなど世界各国から集まった30人を超える参加者が、重みあるチャンピオンの称号を目指して競い合った。」そうです。
まあこの競技に限らずなんの競技でも、知らない人や興味のない人にとってみると「何これ?」というものなのですが。

 

 

このニュースで思い出したのが、若い頃読んだ、つげ義春さんのマンガ「石を売る」。これは、「無能の人」という連作マンガの中の一作。売れないマンガ家 (自称「芸術マンガ家」) が、川原の石を拾ってきて石を売る商売を始める話。一種の現実逃避を肯定する話です。

 

 

つげ義春さんのマンガは、主人公はネガティヴでウジウジしたダメ男が多くて、悲惨なシチュエーションが多いのですが、状況を斜め上からみて描いている感じで、悲惨な感じはしなくて、全体にそこはかとないユーモアがあり、ひと頃ハマって熱心に読んでいました。そして、こんな生き方もいいなあと。
ちょうど同じ頃に、ボブ・ディランさんの「ライク・ア・ローリング・ストーン」を聴いて、その、人が落ちぶれていく様を肯定するような歌詞世界とつげ義春さんのマンガの世界観がダブって感じられて、余計に憧れたものです。

 

 

憧れというのは、現実にはそうならないから憧れるのであって、実際に私の性格からして、無一文になってボロボロに生きていく前に、焦ってセコセコと何とかしそうです。こういう小心者だから、つげ義春さんのマンガや「ライク・ア・ローリング・ストーン」に憧れたんでしょうね。

 

 

話は戻りますが、実際にこの「石積み大会」に出場された方って、どういう日常を送ってらっしゃるんでしょうか。
大会で優勝する為に、毎日毎日近くの川原に行って、石積みの練習をして、ヨメから「あんた、こんなくだらないことばっかりやってないで、ちゃんと働いてよ〜」と泣きつかれているんでしょうか (笑)。そんな想像をしてしまいました。もしそうなら、つげ義春さんのマンガ、そのまんまです (笑)。

ちなみにこれも想像ですが、この大会の出場者は、おそらく99%は男性でないかと予想します。このようなことに一生懸命になるのは、大体男性です。