【2018年6月4日】ジャケがイイ!(第12回) 〜 ガルダ「ア・ハート・オブ・ア・プロ」

 

 

 

ジャケ買いでは久々に大ヒットのCDです。
音は、極めてミニマムなアコギのポップスでした。こんなに淡々とした地味な音楽を最近のバンドから聴くとは思いませんでした。(最近は凝った音が多いので)

 

 

このガルダというバンド、ネットで調べましたが情報が少なくて掴みかねます。ドイツのバンドで、9人の大所帯みたいです。音は2〜3人で演ってるみたいにスカスカなんですが。
アルバムは2枚リリースされていて、このアルバムは、2013年リリースの2枚目。Amazonのカスタマーレビューはナシ。情報が少ないということは、つまりは売れていないということなのでしょう。

 
イギリスに、ベル・アンド・セバスチャンという同じく大所帯バンドがいますが、音の傾向が似ています。音の隙間も聴かせるアコースティックで静かなロックです。
このガルダの方が更にミニマムで、絞って絞って、絞り切った音が奏でられています。センスのみで聴かせる音楽です。

 

 

センスで聴かせるとはどういうことか説明します。
例えばテクニック(楽器や歌の上手さ)であったり、音色であったり、楽曲が伝統に基づいて作られていたり(ジャンル分けが明確化)…。そんな、過去に確立された価値観のもとに作られた音楽は、その評価も同様で、その価値観に基づいて聴き耳をたてます。「この人は歌が上手いなあ」「ギターが速いなあ」「変わったコード進行だなあ」「中々渋いブルースだなあ」「最新の音だなあ」…。

 

 

そういうのを全て排除した結果に、残るのが演る人のセンスです。
テクニックを排除して、普通の楽器を使って、少ないコードを少ない音で、カテゴライズされない音楽を演っても、「ああ◯◯の音だなあ」と感じる音楽です。初期のニュー・オーダーなど、そんな音楽でした。

 

 

実際にそんな音楽は中々売れないのですが、一定数のリスナーは必ずつきます。
残念ながら私の知る限り、日本ではこういう淡々としたセンスの良い音楽は中々お目にかかることがありません。目立つのは何かしらのギミックが施された音楽ばかりです。もしそんな音楽を演っているバンドや個人を知っている人がいたら、是非教えていただきたいです。