【2021年4月13日】ムーンライダーズのライブDVDを観ています

ニュー・ウェイヴ期にいろんな変なバンドを聴いてきましたが、何故か?ムーンライダーズは、アルバム (カセット・ブック)「マニアマニエラ」以外はスルーしていました。多分、オールド・ウェイヴの人がニュー・ウェイヴに乗っかった、そんな印象だったのでしょう。それでも、鈴木慶一さんプロデュースの原田知世さんの数枚のアルバムは今でも時々聴く愛聴盤となっていて、遠からず・近からず、といったアーティストでした。

 

 

その知人にCDを貸していただく際に、知人は「歌詞が刺さる」と仰っていました。

私は、ムーンライダーズの歌詞がいいとは、それまで全く思っていませんでした。何故なら、私が今まで聴いた鈴木慶一さんの歌は、歌詞が殆ど聴き取れなかったからです。そして原田知世さんのアルバムからの印象で、100%サウンドの人だと思っていたからです。

 

 

 

鈴木慶一さんの歌は、まるで独り言のようです。決して通りのわるい声ではなく、音程も外してなく、声量もそれなりにあるんですが、何故か聴き取りにくく言葉が耳に入ってきません。それって、私だけなんでしょうか?

 

 

思えば、インタビュー記事もそうです。音楽雑誌やWEBサイトで何度か読んだインタビューでは、質問に対しての返答が、歌同様に、まるで独り言のようです。多分、人にちゃんと伝わらなくてもいいと思っているのではないかと、勝手に思っています。だから歌ってること・言ってることが直接的に入ってこないんじゃないかなと。偏屈な人だな〜と思います。

 

 

 

それでCDを借りてから、歌を聴きながら歌詞カードを読んでいると、その言葉があまりに痛々しくて驚きました。ある意味、ちゃんと聴き取れず+サウンドが凝りに凝っているので、歌の聴き取りにくさは、その痛さがダイレクトに伝わらずにポップに聴けるのでいいんじゃないかと思ったくらいです。

 

 

借りたCDを聴いていて特に気に入った曲は、アルバム「AOR」収録のレゲエ調の「ダイナマイトとクールガイ」。サウンドも歌詞も、言うことなしの名曲です。

戴いたDVDは、昨年10月31日に行われた配信ライブ。「ダイナマイトとクールガイ」を2曲目に演っていました。

 

 

 

その演奏は「♫ダイナマイト・アンド・クールガイ〜」のパートを何回も何回も繰り返す、約9分にも及ぶ長尺アレンジでした。おそらく鈴木さんは、永遠を奏でるようなレゲエ・ビートに乗せて恋愛の刹那を歌うこの歌を歌うことに、何か思うところがあったのかもしれません。これぞまさに、アダルト・オンリー・ロックンロール (AOR)、です。

私はワインを呑みながら、3回リピートして、静かに熱くなりました。

 

 

DVDどうもありがとうございました。