【2021年7月8日】ソロ・ボーカルとコーラスの違いを考える 〜 自曲「暮れゆく夏の日に」のボーカルから

以前作った「暮れゆく夏の日に」。ボーカルがいまいち弱いな〜と思いつつそのままになっていたのですが、先日、新曲の歌詞を書くのにメロディに合わせてデタラメで歌っていたところ、喉の調子がいい感じだったので、ふとそのことを思い出して歌を入れ直してみました。

その際、サビメロにコーラスを重ねてみました。以前完成させた時は、完全なソロ・パートです。

 

 

実は、このボーカルのスタイル、ソロで歌うのと声を重ねるのとでは、聴こえ方がまるっきり違ってくるのが、面白いというか不思議なところです。そして重ねるにしても、2声、3声、それ以上、と、重ね方によっても聴こえ方が全然違うのが、さらに不思議なところです。

書きながら、これにはちゃんとした法則性があると思ったので、分かりやすくまとめてみます。

 

 

 

 

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一人の声で歌う・・・個人的なことを歌うスタイル。もしくは音楽的整合感よりも、「個人」の感性を優先。ルー・リード、ボブ・ディラン、ジョン・ライドン、トム・ヨーク…、日本人だと、宮本浩次、大森靖子…。それから、多くのフォーク・シンガー。

 

もう二〜三声加える・・・ビートルズ、ローリング・ストーンズ、クイーン、その他多くのロック・バンド。サイモン&ガーファンクル、ゆず、コブクロ…。その他、多くのフォーク・デュオ。

 

それ以上の声数のコーラス・・・多くのポップス。

 

 

 

 

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こんな感じです。分かりやすく説明する為に、誰もが知るミュージシャンを出しました。大森靖子さんは有名ではありませんが、最近聴いた中では、際立って「個的」な音楽なので、敢えて。もちろん例外もあります。

 

 

面白いのは、ソロ・ボーカルから一声重ねるごとに、微妙に歌の抽象度=普遍度が増していくことです。いくら個人的なことを言葉 (歌詞) で表現していても、それが数十人の大合唱で歌われると、それは全く個人的な表現に聴こえません。

ロック・バンドやフォーク・デュオの二〜三声というのは、そういう意味で、実に上手く出来ています。個人的でありながらも抽象度も獲得出来る、欲張りスタイル (笑) ではないかと、聴いていて感じます。

 

 

 

ところで、私の「暮れゆく夏の日に」。当初は昔の思い出を歌った個人的な歌なので、作った当初は最初から最後までソロで歌いましたが、曲が、もろにソウル・ミュージックなので、これは絶対のコーラスにした方が良くなるのではと、先日歌ってみて感じました。

思えば、ヒップホップを除くブラック・ミュージックは、そのほとんどが、曲に分厚いコーラスが入ってきます。ここがロックやフォークと大きく違う特徴です。

 

 

取り敢えず、10回程歌って、それを重ねてミックダウンしてみました。現時点ではテンパっているので良し悪しの判断は付きかねます。しばらくの間、通勤やドライブ時に聴いてみて、それで最終ヴァージョンをどちらにするかを決めようと考えています。

 

 

 

 

 

個的でありポップでもある、ビートルズのコーラス。