【2021年10月24日】好きな楽曲をリマスタリングすることについて 〜 今朝はストラングラーズ「ナイスン・スリージー」をリマスタリングしました

随分以前になりますが、当ブログにプリンスの「ラヴセクシー」(‘88年の超名盤です) を音楽制作ソフト「Cubase」に取り込んでリマスタリングしているという記事を上げた事があります。

 

 

というのも、このアルバムは9曲入りなのに、CDだと曲間シグナルが入ってなくて、何と一曲約45分!なんです。つまり、このアルバムは最初の曲から順番に聴いてくれという、プリンスさんのメッセージ込みのアルバムな訳です。

だけど私は、好きな曲順でその時の気分で好きな曲だけ聴きたいなあと常々思っていて、曲を分割して自分でリマスタリングした訳です。(天国のプリンスさん、ごめんなさい)

 

 

 

そんな理由で、初めて自曲以外をマスタリングしたんですが、やってみていろいろと気付いた点も多々あります。

 

 

例えばその「ラヴセクシー」のリード・シングル曲「アルファベット・ストリート」。この曲はキック・ドラムもベースも低音域を見事にバッサリとカットしてて、一聴して、ファンクなのにパサパサして重量感皆無の聴感です。

それで今回のマスタリングにあたって、この曲はもっと低音を効かしたらカッコよく聴こえると思い、思い切って50kHz付近 (ドラム&ベースの低音域) を上げたのですが…。

 

 

これが見事に期待を裏切って、ごく普通のファンクに聴こえるんですね。この曲は、低音が効いてないから、ポップに、いい感じに聴こえるんだなあと、思った次第です。NO.1ヒット「ホエン・ダヴズ・クライ」「KISS」のベースレス・サウンドのマジックに近いものがあります。

 

 

 

そんなこんなで、「ラヴセクシー」のリマスタリング、とても勉強になりました。

実はそれから味をしめて?、このアルバム以外、そしてプリンス以外のアーティストの曲も、大昔の音源等で音質が気になる曲を、ヒマをみてコツコツとリマスタリングし続けています。もうかれこれ数十曲になりました。

 

 

 

今朝はストラングラーズ「ブラック・アンド・ホワイト」(‘78年のパンクの名盤) の一曲「ナイスン・スリージー」をリマスタリングしました。

 

 

このアルバムの殆どの曲は、ベースがリード楽器として機能していて、それなりに大きい音で鳴っているのですが、いかんせん40年以上前の音源なので重低音のパンチ力にやや欠けています。

それで、重低音域を思い切って持ち上げて、バランスを取るために若干高音域も上げてみました。イコライザー処理だけでなく、立ち上がりやバランスを良くする為にコンプレッサーも音域ごとに掛けました。

 

 

 

そうやって苦労して作ったリマスタリング音源を車内で大音量で聴いていると、何ともいえない至福感に包まれます。今まで鑑賞しているだけだった他人の楽曲に、ちょっとだけ自分のエキスというか意思が入った感がします。楽曲を、自分の方へと引き寄せた感がします。

 

 

よくAmazonのレビュー等で、アーティストのリマスター音源について、あーでもないこーでもないと意見を仰っている方々がいますが、そんなに音にこだわるなら、Cubaseを購入して自分の好きなようにマスタリングして聴いたらいいのではないかと。但しヒマ人でないと無理かもですが。

僅か数万円で、慣れれば数年で、ある程度ですが自分の好きな音質に近づけることが出来ますよ。(もちろんその音源は自分用で楽しむだけで、ネット等で拡散は出来ませんが)