好評といっても1人ですが (笑)、前回記事に共感したという奇特な方がいらっしゃったので、続きを書いてみようかと思います。あらためて、読んで頂きどうもありがとうございました。
「ダメ人間ソング」と言っても、そのパターンは幾つかあります。独断と偏見で勝手に分類してみました。
① ダメな状況から救われる・もしくは救われそうな、希望の歌 (デヴィッド・ボウイ「ロックンロールの自殺者」など)
② ダメ人間、それで何が悪い?という開き直り及びダメさを自嘲する歌 (筋肉少女帯「踊るダメ人間」など)
③ 主観を入れずに、語り部としてただ淡々とダメさを描写する歌 (ボブ・ディラン「ライク・ア・ローリング・ストーン」など)
私の「うまく生きられない」は、一応②を目論んで書きました。でも読み返すと「笑い」が全然足りない気がしました。なので、歌詞は1番をちょっと捻ってみて、アレンジはこれでもかという程、必要以上に大袈裟にしてみました。
本日仮歌を入れたのですが、それでもイマイチ地味かなあと。
若い頃、つげ義春さんの私小説っぽい漫画を読んで思ったものですが、どん底の状況というのは、上手く表現すれば、そこには笑いも生まれるし、肯定的感情も生まれるものだなあと。当時は、超のつく程の貧乏暮らしの人生って、結構素敵じゃないか、と思ったものです。もちろんそう感じるのは、つげ義春さんの天才的な表現力がなせる技からなのですが。
以前書きましたが、太宰治の小説の、時には笑える面白さも、その徹底したダメっぷりからきているのではないかなと。
私の歌はまだまだ力不足ですが、ピンっとくる方が、1人でも2人でもいらっしゃる事を祈って、がんばって完成させたいなあと。
前回上げた歌を一通り聴いてみて、1番インパクトがあったのは、筋肉少女帯「踊るダメ人間」(‘91年)。
シリアスなテーマを笑いに転化させて、聴いた人の耳の穴をこじ開けるように無理矢理聴かせるこの曲こそ、「ザ・ベスト・オブ・ダメ人間ソング」ではないかと確信しました。もちろん、私の独断です。
その前回のダメ人間ソングたちには、実は全曲「キメのフレーズ」的なのがあります。「踊るダメ人間」の場合は、サビの ♫ダ〜メ ダメダメ ダメ人間〜よりも、ラストの捨て台詞「それでも生きていかざるをえない!」の方が印象に残ります。
深い曲だなあと。