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【2023年4月23日】ザ・ポップ・グループのマーク・スチュワート死去

 

 

 

私は時々当ブログで追悼を上げていますが、これには自分内のルールがあります。そのルールの一つに、ティーネイジャー及び20代初めの頃にLPレコードを買って熱心に聴いたアーティスト、というのがあります。これらの方々は大袈裟に言えば、自分の音楽歴形成及び人生の指針になったアーティストたちです。

 

 

その当時のLPレコードは、廉価版の1800円ぐらいから、2枚組だと4000円ぐらいまでの値段がしました。多くは2500円ぐらいでした。中高生の頃はお昼代までケチってせっせとお小遣いを貯めて、レコードを購入したものです。

 

 

当時は情報も少なく、チェック音源もラジオしかありません。雑誌を読んでラジオをチェックして、買うレコードを決めていました。そうやって吟味して購入したレコードも、買ってガッカリした事は数知れず、です。

 

 

でも買ったレコードは元を取らねばもったいないと思い、良く聴こえるようになるまで、理解出来るまで、ひたすら聴き続けました。今のサブスク世代の若者に呆れられそうな話です (笑)。

そうやって我慢して?数十回数百回と針を落とすと、何となくですが「こういうところがいいんだ」「こういう聴き方をすれば面白く聴けるんだ」と、随分耳が鍛えられたのではないかと思います。今になって思えばですが。

 

 

更に思うと、好き嫌いは抜きとして、対象 (私の場合、音楽) としっかり向き合うという事はとても大事だという事です。思春期の頃に、パッと聴きでの好きな音楽ばかり聴いていたら、今の自分のように、新しい音も聴いたり音楽を作ったりはしていないような気がします。

 

 

 

ザ・ポップ・グループのアルバム「Y」は、そんな、聴きづらかったアルバムの一枚です。耳に馴染むまでかなり時間がかかりましたが、馴染むとクセになってヘビロテ化しました。高校生の私には、ダブ的音響は正直よく分かりませんでした。

しかし、このアルバムとPILの数枚のアルバムのお陰で、以降、ダブやファンクやジャズを楽しんで聴けるようになったのではないかと思います。

 

 

 

マーク・スチュワートさんは享年62歳。私と3歳しか違いませんが、ティーネイジャーの頃は、ファンクやダブを教えて下さった先生のように、遥か雲の上の存在でした。謹んでお悔やみ申し上げます。

 

 

【2023年4月2日】坂本龍一死去

本人の言葉や病状、そして最近の人生総括的な活動から、一応覚悟はしていましたが、いざニュースを目にして少なからずのショックを受けました。高橋幸宏さんの死去で、またYMOを聴き返していた矢先の事です。

 

 

坂本龍一さんの音楽は、一部の日本人音楽リスナーの耳 (音楽の聴き方・音楽への接し方) を、それまでと大きく変えました。それは革命と言っていい程です。

坂本さんの音楽を深く受け止めた方々の多くは、自分でも音楽を演ってみよう、と思ったのではないかと。坂本さんの音楽を熱心に聴いていた高校生の私もそうでした。そして実際、プロとして活動されている坂本チルドレンは、本当に数多くいらっしゃいます。

 

 

長い間の闘病生活、本当にお疲れ様でした。月並みな言葉ですが、天国で幸宏さんと楽しく一杯呑んで下さい。謹んでお悔やみ申し上げます。素晴らしい音楽を聴かせて頂き、本当にありがとうございました。

 

 

 

 

以前実家で撮った画像より。今も「千のナイフ」を聴きながら。