先日レゲエの話を書いていて、一つ思ったのが、コードの事。
昔からレゲエはコード進行が単純なパターンの曲が多く、その使うコードも少ないです。
ルーツ・ラディックスという、レゲエ界では有名なバンドがありましたが、そのバンドはコード2つでほとんどの曲を演奏していました。
だからと言って、その音楽が単調でつまらないかといったらそんな事はなく、とっても豊潤な音世界を生み出していました。私はこのバンドのリズム (ジャマイカ流で言うとリディム) にハマり、このバンドがバック・トラックのレコードを買い集めた事があります。
微妙な音程の動き (メロディ) に対応して、コード進行を複雑にすると、メロディはきれいに分かりやすく聴こえるようになりますが、上手くアレンジ・演奏しないと、曲のリズム感やダイナミズムが損なわれてしまいます。
世界の国々のポピュラー音楽でコードを一番たくさん使っているのは、今は多分日本人(J-POP)ではないでしょうか? (全世界のを聴いた訳ではないので、単なるカンです)。一番でなくても、5番以内ぐらいには入っていそうです。
日本人は、リズムのノリよりも、繊細できれいなメロディに耳を奪われてしまいがちなので、曲を良くしようとがんばったら、そっちの方向 (凝ったコード進行) にいってしまうのではと思います。良し悪しなので、私も気をつけたいと思っています。
レゲエのミュージシャンは、グルーヴが一番なので、メロディはあまり気にしないんでしょう。
コード使いに関しては、ある程度勉強して経験を積めば、かわったコードや面白い進行などで、曲をいろんな風にアレンジ出来るようになります。
ところが、少ないコードで音世界を確立するには、勉強するだけでは無理で、センスがないと出来ません。根本的な音楽性が問われます。
あとこれは私だけかもしれませんが、少ないコードで進行する曲で良いものは、なかなか飽きが来ません。それどころか、聴きこむ程に味が出てきます。
ロックでは、以前ブログで上げたニュー・オーダー、残念ながら一昨年に亡くなってしまいました、ルー・リードなど。少ないコードでシンプルだけど奥深く、紋切り形の音楽スタイルを採っていながらその音楽性は唯一無二。私にとって永遠の音楽です。レゲエ同様、死ぬまで聴き続けると思います。
私のアルバム「Nine Melodies」に収録の「ふたつのコード」という曲。この曲は文字通りふたつのコード「G」と「C」で作りました。サビでもう一つコード「D」が加わります。
歌詞は、ニュー・オーダーの前身バンド「ジョイ・ディヴィジョン」と自分の過去を重ねて書きました。
ジョイ・ディヴィジョンは、殆どの曲をふたつのコードで、危うい内面世界を表現していたイギリスのポストパンク (当時はニュー・ウェイヴと言ってました) のバンドで、ボーカルの方が自殺して解散してしまったのが、今では伝説となっています。
さて私の「ふたつのコード」、私以外の方には、どんな風に聞こえているのでしょうか?