以前コンタクトがあり共同で何か行おうと話しを進めていた、クリエイターのKさんの曲が、このところ急に進化しています。
ちょくちょくラインで曲を送って下さるので、その都度感想や批評を返しているのですが、その送って下さるスパンも数日おきと、どれもスケッチ程度ではありますが、とても多作で熱心です。
よく質問もきますが、その内容は大体音楽理論についてです。私もそんなに詳しくないので、お答えする際は、必ず内容をサイトで調べて正誤を確認してから、自分なりの意見も乗せて返しています。質問を受ける私も、とてもいい勉強になっています。
そんな理論の質問があった後に、いつも曲が送られてくるのですが、必ずと言っていいほど進化しています。まるでスポンジのような吸収力です。
そして、自分の事を思い起こせば、そんな進化も納得出来ます。
私は数年前から曲を作りだしましたが、最初の3曲が出来た時点ですごく嬉しくって、まず思ったのは、「誰かに聞いて欲しい」でした。そして実際に、聴いてもらえそうな方にCDを渡して感想を聞いたりしました。とても稚拙な歌でしたが、何故か恥ずかしいとは思いませんでした。
だけどこれは、ある意味当たり前の事で、実際、誰かに自分の歌を聞いて欲しいから、歌を作りだした訳なので。
変な例えですが、英語教育など、学校や塾で嫌という程英語を習って、それでもやっと喋れる程度の人が、ポツリポツリといる訳です。ところが、イギリスやアメリカに行くと、子どもでもペラペラと英語を喋っています。
何故かと言えば、アメリカやイギリスの子どもたちにとって英語は「どうしても必要」だから、ちゃんと喋れるようになるんです。日本人が日本語を喋れるように。だから日本人も、イギリスに住めば、100%英語を喋れるようになります。
で、何故「どうしても必要」かと言えば、他者とコミュニケートするためです。大多数の日本人が何故英語が喋れないか、それは、「必要ないから」なんですね。
歌を作る事は、技術的な事など実はあまり重要ではありません。子どもが言葉を覚えるように、それが必要な人には、必ずメロディが降ってきます。必ずそれなりに歌えるようになります。テクニックや理論は、それをキャッチする道具でしかありません。それが必要な人というのは、「歌で他者ともっとつながりたい」という思いが大きい人の事です。
Kさんは、私以外の人にもどんどん自作を聴いてもらっているとの事です。だから、進化するのだと感じました。
歌を歌っている方・楽器を練習している方・曲を作っている方へ。1番のレベル・アップ、充足感への近道は「他人に聞いて頂く」、これです。自分一人で悶々しててもしょうがないです。下手でもいいじゃないですか。まずは隣の・身近な、聴いてもらえそうな方に、聴いてもらって下さい。(自戒を込めて)
(そして、文章も同様。他人に読んでもらえてこそです。)
日本人では誰よりも歌を必要としていそうな、宇多田ヒカルさん。「ディス・イズ・ラヴ」のライブより。