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【2017年12月25日】耳を澄まして聴くこと 〜 音楽は聴こうとしなければ聴こえてこない

今日まで、大体どこのショッピング・モールや百貨店などに行っても、BGMにクリスマス・ソング、もしくはクリスマス・ソングをアレンジしたBGM用の曲がかかっています。
クリスマス・ソングというのは、大体が「聖なる夜」を祝う歌が多く、そういう雰囲気を喚起させるメロディや言葉を使っているのですが、人混みでごった返しのお店でBGMとしてかかっていても、そんな聖なる雰囲気は全く感じる事が出来ません。

 

 

私の大好きなクリスマス・ソングに、ポール・マッカートニーさんの「ワンダフル・クリスマスタイム」という曲があります。洋楽がBGMのお店だと、この時期しょっ中かかる曲です。
私がこの曲を初めて聞いたのは、中学3年生の冬、深夜のラジオででした。イントロのシンセサイザーと鈴の音色、そして唐突に入ってくるポールのボーカル。その後もラジオで何度もかかり、エアチェックして毎日聴いていました。

 

 

この曲を聴くと、寒い冬の夜、ストーブを焚いた暖かすぎる部屋で、勉強をしているフリをして、コーヒーを飲みながらラジオやレコードにかじりついていた中3の冬のあの頃に、すぐにフラッシュバックしてしまいます。良い音楽はタイムマシンです。

 

 

今でもこの曲は、お店のBGMで流れるのと部屋で一人で聴くのとでは、心に入ってくる度合いが数百倍違います。
実はそんな経験は、この「ワンダフル・クリスマスタイム」に限ったことではありません。深夜のひと時に、一人で密かに何度も何度も聴いていた大好きな曲が、仕事中に不意に有線で流れても、あの深い感動はどこに?という感じです。(仕事中なので当たり前なんですが…)

 

 

実はここに、音楽を楽しむ事の危うさがあります。
音楽は、映画やマンガのように、鑑賞するのにこちらの意識をその対象にとばさないと楽しめないものではなく、それこそ歩いていても勝手に耳に入ってくる、そんなものです。
だからこそ、身近で楽しみやすく、あちこちで鳴っているのですが、多くの音と接していると、上辺だけ薄っぺらく聞いてしまいがちになります。
「ワンダフル・クリスマスタイム」だって、もしかしたら深夜のラジオに耳をそばだてて聴いていたからこそ、自分の心に入ってきたのかもしれません。お店のBGMとして聞き流していたら、出会えてなかったかもしれません。

 

 

ここ十数年だとiTunesなどの普及で、イントロを聞いただけで、曲を聴いたつもり・分かったつもりになったり。作るミュージシャン側も、まず30秒聴いてもらうには曲をどう展開すればよいか、などと考えるようになったり。

 

 

それから、世の中には、一回聴いただけで分かる曲もあれば、10回聴き返してようやく良さが分かるという曲もあります。そして同じ曲でも、聴く側の意識次第でそれは、ある人にとっては黄金にも値しますが、ある人にとってはそこら辺に転がっている石ころ同然となります。
BGMとして、無料配信として、大安売りしている今の恵まれた音楽状況だからこそ、余計に耳を研ぎ澄ましてしっかり聴かないと、本当に良い音楽に巡り会えなかったり、心の底から感動出来なくなってしまいます。
タダほど高いものはない、とはよく言ったものです。気を付けないと…。(以上、自分自身への戒めです)

 

 

 

クリスマス・イブに、「ワンダフル・クリスマスタイム」を聴きながら。

 

 

 

 

何と!ポールはライブでもこの曲を演っていました。

 

【2017年12月24日】クリスマスの思い出

本日24日はクリスマスイブ。子どもの頃のクリスマスの思い出話です。

 

 
子どもの頃クリスマスが楽しみでした。何故なら好きなおもちゃを買ってもらえたからです。
うちの両親は現実的だったのか、サンタクロースの「サ」の字も言わず、クリスマス前には一緒にショッピングセンターやデパートのおもちゃ売場に行き、好きなおもちゃを一つ、買ってもらっていました。

 

 
以前にも書きましたが、買ってもらうのは、ボードゲームに限られていました。家族や友だちと一緒に遊んでこそ、子どもはちゃんと真っ当に成長するんじゃないかとの、親の想いがあったのだと、今考えると思います。
そんな中で、思い出深いゲームは「スコアフォー」(立体四目並べ)です。

 

 
このスコアフォーですが、私はかなり得意で、近所の友だちや父と遊んでも負けたことがなく、いつも鼻高々でした。(とは言っても、父を合わせてもほんの数人なので、自慢にもなりませんが…)
このゲームは、将棋や囲碁、チェス、オセロといったボードゲームと違って、立体なのがポイントです。立体だから、他のボードゲームよりも面白く感じたんじゃないかなという気がします。

 

 
それから「億万長者ゲーム」もよく遊んだ記憶があります。このゲームは、「モノポリー」に改良を加えたようなゲームで、当時は「人生ゲーム」と人気を二分していたような。人生ゲームやモノポリーは近所の友だちが持っていたので、このゲームを買うのにしたんだと思います。どれも面白く遊びました。「人生ゲーム」「モノポリー」同様、後にTVゲーム化されています。
TVゲームでは、この億万長者ゲームやモノポリーをさらに改良を加えたような「いただきストリート」というゲームも後に出ました。

 

 
TVゲームなどの2次元のゲームと大きく違うのは、実際にコマを触ったり、ルーレットやサイコロに触れたり、お札やコイン (もちろんニセモノ) を数えたりするところだと思います。
今の時代、いろんなボードゲームがTVゲーム化していますが、「触って遊ぶ」は記憶に凄く残ります。将棋の駒の乾いた木の感触や、碁石の冷んやりとした石の感触、チェスの駒の高級感・立体感など、今だに手の方が憶えています。
スコアフォーも同じくで、表面にニスを塗ったような木のボールの感触は、多分一生忘れることはないと思います。