今回の「八月に降る雨」や「ひみつの言葉」が何故数日で出来上がったかといえば、歌詞がすぐに書けたからです。曲の完成する・しないは、ひとえに歌詞にかかっているといっても過言ではありません。それから、トラックの制作途中で言葉(歌詞)が決まると、不思議と出す音も次々と決まってきます。
そして歌詞をなかなか書けないのは、これは私だけではないようで、知り合いのクリエイターの方々は皆んなそう仰います。全く書けない、書けないから音だけで勝負する、という方もいらっしゃいます。
宇多田ヒカルさんでさえ、以前のブログ本で、「歌詞はホントなかなか書けない」「胃をキリキリさせながら書いている」という旨を書いていました。つまりは、皆んなそうなんですね。
そのブログ本、その時は何気に読んでいましたが、今は身に染みてよく分かります。メジャーのアーティストさんのように〆切があったら、ホントに胃薬飲みながらやアルコールに逃げたりしながらの創作になりかねません。(実際多いそうです)
脳を雑巾のように絞って、ようやくポロポロと言葉が出てくるという感じです。歌詞を書くのは、日々の賃労働のストレスも吹っ飛ぶ程のストレスです。いや、ホントに。(それならやるなという感じですが 笑)
音は技術刷新が進んでいて、今では誰もが、ソフトを使ってある程度のレベルまでは自在に作れるようになりましたが、言葉はソフトに頼れません。ひたすら考え抜くしかありません。あらためて感じます。
そして、言葉のクォリティや世界観は、何故か音のクォリティや世界観を裏切りません。良い音は、歌詞を読んでも良いです。その逆もしかり。不思議ですね。
宇多田ヒカルさんのブログ本「線」。ブログなので軽い文体ですが、創作のエッセンスが詰まっています。先程の発言はこの本から。
久しぶりに、チラッとページをめくったら、偶然こんな記事が。
「12、3才で (中略) 25冊くらいかな?」…。宇多田さん、やはり歌を作らずには生きていけなかったんですね。。。