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【2019年3月24日】ヒペリカム「COHCOX」聴きました 〜 音楽の「四番目の要素」とは?

先日、富山からの帰り道に少しだけ時間があったので、金沢東の8号線近くのリサイクル・ショップに立ち寄ったところ、目に付いたCDです。帯の推薦文をグーテフォルクの西山さんが書いていました。私はこの方のファンなので、これはきっといいに違いないと、即購入しました。

 

 

予想通りの、エレクトロニカでした。情報を知りたくて調べたら、このアルバムのレーベルである涼音堂茶舗は、エレクトロニカ専門のインディーズのレーベルでした。

 

東京・吉祥寺と京都を拠点に「電子文化の茶と禅」をコンセプトに活動する電子音楽レーベル。ーー「はてなキーワード」より

 

 

エレクトロニカの音源は、大体が小さなインディーズ・レーベルからリリースされています。レーベル自体のファンが付いていて、好きな方はアーティスト買いというよりもレーベル買いをしています。この涼音堂茶舗も、一般的には受け入れられるのが難しい、けれども良質な音源をリリースしている、そんなレーベルの一つなのでしょう。

 

 

 

ブログ記事で度々触れる、このエレクトロニカというジャンルの音楽ですが、一般的には、全くと言っていい位に聴かれていません。音楽の三要素である、メロディもリズムもハーモニーも廃したような音楽だからなのでしょう。以前に「自然音を楽しむように、耳を傾けてみたらよいかも」的な事を書いた事がありますが、自分で書いておきながら、今思うに、どうもそれもちょっと的外れのような気がします。

聴いて気持ちいいから聴く、は間違いないのですが、その理由が、今のところ言葉では説明出来かねます。

 

 

 

そもそも音楽がポップであるという事とは、誰もが快と感じるルールに基づいて、音が組み立てられているからです。既存のスケールに沿ったメロディであったり、パターン化されたコード進行やリズムであったり。その順列・組合せで、ポップスは成り立っています。

 

 

だけども、多くの人が「不快」と感じる音の中にも、一部の人の中には「快」に響く、そんな音楽も、昔から存在します。ルールが分かりづらいだけで、そのルールさえ呑み込んでしまうと、心地よく聴こえる、そんな音楽です。

 

 

エレクトロニカは、そんな音楽の一種です。リズム・メロディ・ハーモニーの三要素以外の、ある要素に基づいた音作りがなされているように聴こえます。それは何なのかと言われても、上手く説明は出来ません。ただ、他の要素のように言語化出来ないだけで、そこには必ず、音楽の四番目の要素が鳴っていると、これは証明出来ないけれど、断言出来ます。

 

 

自分内では、ギターのフィードバック・ノイズやアナログ・シンセの電子音から始まり、一部のテクノ、ノイズ・ミュージック、そしてエレクトロニカと、全部繋がっています。いずれも、リズム・メロディ・ハーモニーを廃しても尚、人々の心を動かす、「音楽の四番目の要素」を鳴らす音です。

 

 

 

上手くその良さを表現出来る言葉が見つかる事を願って、取り敢えずは、リズムもメロディもハーモニーも殆ど感じられない、だけども十分に「音楽的」な、ヒペリカム「COHCOX」を楽しみます。

 

 

 

【2019年3月22日】イチロー選手引退の記者会見を観て

イチロー選手は野球ファンならずとも馴染みの深い人です。私も引退のニュースに驚き、ニコニコ生放送で引退記者会見の再放送を放映していたので、早速観ました。

 

 

実は私は、こういう風に長時間にわたって喋っているイチロー選手というのは、ちゃんと観たことがありませんでした。今回初めて目にして、あまりの眼力の強さ・オーラの強さにドキドキものでした。観ていて、若い頃の坂本龍一さんやエレカシの宮本さんを、ちょっと思い浮かべました。このお二方と似たような、強力なオーラです。

ニコ生のコメントによると、これでも歳を重ねて随分と穏やかになったとの事です。

 

 

 

その中での記者の質問に「子供たちに是非メッセージを」というのがありました。以下、イチロー選手の回答。

 

 

「…まぁ、野球だけでなくてもいいんですよね、始めるものは。自分が熱中できるもの、夢中になれるものを見つけられれば、それに向かってエネルギーを注げるので。そういうものを早く見つけてほしいなと思います。それが見つかれば、自分の前に立ちはだかる壁に向かっていける。向かうことができると思うんですね。それが見つけられないと壁が出てくると諦めてしまうということがあると思うので。色んなことにトライして、自分に向くか向かないかというより自分が好きなものを見つけてほしいなと思います」

 

ーーyahoo!ニュース「【MLB】“イチロー節”全開、85分間の引退会見 一問一答ノーカット「孤独感は全くない」より引用。

 

 

 

太字にしてあるところは、私が特に感銘を受けた箇所です。

イチロー選手は、その「熱中できるもの」が、子どもの頃から数十年続いて、現在に至っているのでしょう。経験に裏打ちされた、深い言葉だなあと感じます。

 

 

このインタビューは前述の記事で全文読めるので、観てないけど興味のある方がいらっしゃいましたら、是非目を通して頂きたいと、観て・読んで思いました。他にも「外国人になって人の痛み想像した」とか、「真剣に草野球を極める野球選手になっているんじゃないですか」とか、その他、面白いお話で一杯です。

 

 

何はともあれ、私のような野球ファン以外の人々にも、ほんの少しでも野球の興奮を教えてくれたイチロー選手には、感謝の言葉しかありません。どうもありがとうございました。長い間、お疲れ様でした。