前回オザケンの記事を上げてから、ふと気になったのが、私の中では邦楽アーティストのツートップのもう一人、七尾旅人さん。
七尾さんについて何か書こうと思っていたら、何とyahoo!ニュースに七尾さんの記事が上がっていました。これはビックリ。
私にとって小沢さんと七尾さんは、音楽性のみならず、世界や音楽に対する考え方や意識も同調出来る、日本のアーティストの中では数少ないうちの二人です。
とは言っても、その才能のベクトルは正反対の方向を向いていると感じます。一言で言うと、オザケンは熟考型、七尾さんは反射神経型、です。
まあ実際は、オザケンは反射神経でツイートしてるし、七尾さんは練りに練って「911 FANTASIA」を作ったりで、あくまで私の中でのイメージです。
それで、今回は七尾旅人さんについて。
最近のコロナ・ウイルス現象について、多分七尾さんは、ごく近いうちに、歌にして我々に語りかけてくると思っています。これは確信しています。
9.11の後の「911 FANTASIA」のように。3.11の後の「リトル・メロディ」のように。デヴィッド・ボウイ死去後の「デヴィッド・ボウイ・オン・ザ・ムーン」のような。最近だと「きみはいるかな (戦地の家族たち)」。
古今東西のミュージシャンの、その99%は、過去の音楽を継承しつつ、自身のオリジナリティを加えて表現しています。私もそうです。つまり、アーティストは、伝統の継承者でもある訳です。
ところがごく稀にですが、突然変異的に、過去の文脈では説明しきれないミュージシャンが現れます。エイフェックス・ツインとか。
七尾旅人さんも、実はそんな人だと長い間思っていました。その認識がちょっと変わったのは、’10年のアルバム「ビリオン・ヴォイシズ」を聴いてからです。
このアルバムを聴いて「あ、七尾旅人って、ジャズがルーツなんだ」と感じました。ジャズをちゃんと聴いたこともないクセに (笑)。
実際のところ、どうなのか知りませんが、このアルバムを聴いた後、ライヴを2回観て、それは確信に変わりました。自意識を通さずに、脳みその無意識の領域から直接、音や言葉が発せられている、そんな風な。
そんな直感型の天才アーティストが、今のコロナ騒動で、どのように感じて、どんなメッセージを発するのか、興味が尽きません。