ギター音源を送って下さったもう一曲「ある一日」。こちらもデータを取り込み、「シーシュポスの神話」同様、全体のミックスダウンもやり直して、何とか完成しました。こちらはそれほど時間はかかりませんでした。

元々シャープな音像だったこの曲、ギターが入る事により、ぼんやりしているエレピの音を大幅にカットしました。これで更にエッヂが立ったように感じます。バックにインダストリアル・ノイズも混ぜているので、これで曲調がダークだとかなり重苦しくなるのですが、極めてポップなので、それは杞憂でした。

個人的には、ギターソロの音色が好きです。コーダのファンキーなカッティングもカッコよく、何気にピアノをハモらせてみたところ、上手くハマりました。これにより、ぐるぐる回って着地しないようなコーダが、上手く着地出来たように感じます。

この曲「ある一日」、もちろん震災前に作っていますが、震災後に書いたと言っても通じそうな程、何事もない平和な日常を希求している、そんな事を歌っています。

毎日働いて、仕事終わったらビール飲んで、眠くなってぐっすり寝る。実はこれが、一番素晴らしい人生なのではないかと、今となっては心底思います。ストレートにこれが出来ないから、皆それぞれ四苦八苦しているんじゃないかなと。

g君から送られてきたギターのデータを取り込み、ミックスダウンをやり直して、「シーシュポスの神話 guitar ver.」が完成しました。歪んだギター音が入って、前のバージョンよりもかなりヒリヒリとして聴こえます。

ところで、いつも送って下さるギター音は、音源に馴染ませる程度で基本的に大きくは変えないのですが、今回は空間系のエフェクターを派手に掛けたり、かなり手を加えてみました。

この曲はかなり幾何学的な音像の曲なので、そうした方が、曲想にマッチするのではないかと考えたからです。

あと全体のミックスも、ギター音源を取り込んだのを機に、大きく変えてみました。ミキシングの難易度が高い曲なので、かなり骨が折れました。ジリジリと過ぎていく時間の経過を何とか表現しようと四苦八苦しました。トライ&エラーの繰り返しで、まさしくタイトル「シーシュポスの神話」を地で行くような作業でした。何とか終わってよかったです。

この曲の元ネタ。いろいろと考えさせられる哲学書です。