【2021年5月20日】SEKAI NO OWARI「バードマン」を聴く

 

 

 

お酒を呑みながら音楽記事のネット・サーフィンしていたら、SEKAI NO OWARI (以下「セカオワ」) の新曲の記事が目に留まりました。MVが本日解禁ということでYouTube観てみたのですが、ちょっと驚きました。

 

 

曲に驚いたのではなくて、ボーカルのFukaseさんのヘア・スタイルにです。生え際がはっきりと見えるほどおでこを出している姿、私は初めて見ました。別人に見えた程です。

 

 

 

ちょうど数日前に「何故J –POPのアーティストは前髪が長いのか 」というタイトルで、J-POPアーティストの前髪についての記事を上げたばかりです。Fukaseさんと言えば、私の中ではその代表格。

YouTubeに上がっていたその曲「バードマン」は、そんなFukaseさんが普通におでこを出して歌っても全く違和感のない、肩の力が抜けたポップ・ソングです。

 

 

 

セカオワの最大の魅力は、ごくごく個人的な歌を、運命共同体的なメンバー全員で体現・表現していることです。「バンド・マジック」が最大限にかかっている、そんなバンドなところです。

それまでの自我苦悩系 (私の造語です) のバンドは、有名どころで言えば、例えばエレカシやミスチル、昔だとオフコースとかは、宮本浩次さん、桜井さん、小田さんという、それぞれ才能豊かなソングライターの個人的想いの吐露がバンドを経由してリスナーに伝わる、そんな表現回路だったのですが、セカオワの場合、Fukaseさん個人というよりも、バンド全体が思考してて、バンド全体で歌を歌う、そんな感じです。

一人では何も出来ない弱いいじめられっ子たちが、集まって力を合わせて世界に向かって叫んでいる、そんなふうに見えました。

 

 

 

以前、ヒット曲「ドラゴン・ナイト」で、Fukaseさんはトランシーバー・マイクを片手に歌いました。トランシーバーというのは、言うまでもなく「個人→個人」の直接的通信手段です。

以下、以前書いた記事「歌は個人と繋がる~ SEKAI NO OWARI のトランシーバー・マイク」より抜粋。

 

 

「ドラゴンナイト」をYouTube見ながらヘッドフォンで聴いていると、Fukase氏個人のメッセージが、YouTubeやネットといったメディアを介さずに、あのトランシーバーから、自分の耳元に直接歌いかけてくるような、そんな子どもの頃のトランシーバー遊びのワクワク感を思い出させてくれます。

そして、私が思春期の頃聴いていたロックも同じく、そんなワクワク感でした。

 

 

 

あれから7年経っています。

今のセカオワは、ファンタジーの世界に武装してトランシーバーを片手にSOSを発していたセカオワではなく、普段着でごく普通のポップスを歌うセカオワです。Fukaseさんもメンバーたちも、あの頃よりも肩の力が抜けて、生き易くなってるんじゃないかな。Fukaseさんのナチュラルに出したおでこを見ながら、そんなことを考えました。