大雪で外出もままならない日々が続きましたが、北陸にもようやく春がやって来た感があるこの頃です。久しぶりにCDを購入しました。2枚です。
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一枚はこれ。イノヒデフミさん「イノコロジー」。’09年のアルバム。
去年ジャケ買いしてブログでも紹介した「サティスファクション」というアルバムが結構気に入って、リピートしていました。このアルバムは、過去の名曲 (自作もあり) をダブ感溢れるトラックにして、その上をローズ・ピアノの旋律が乗っかるといったものでした。
タイトル「イノコロジー」に、気概というか、いい意味でのアーティスト・エゴを感じ、興味を持ちました。
聴いてみて、やはりタイトル通り、マイ・ワールドが全開していました。「サティスファクション」でも見え隠れしていましたが、やはり、オシャレなラウンジ・ミュージックの人ではなく、こういうヘンな人だったんだとうれしくなりました。
なんか最近は独自性が溢れている曲を見つけると、多少聴きにくい音でも、ついうれしくなって聴き込んでしまいます。このCDも、多分「サティスファクション」ほど売れてないと思いますが、何度もリピートすると思います。
もう一枚はこれ。小沢健二さん「アルペジオ (きっと魔法のトンネルの先) 」。岡崎京子さんのマンガ「リバーズ・エッジ」の実写映画の主題歌です。最近の2作以上に輪をかけて凝ったジャケットです。「CD=単なる音源メディアではなく、形のあるモノ、ヴィジュアル」という本質にこだわっているところが、オザケンらしいところです。他のメジャーなレコード会社のアーティストだと、採算のこととかレコード会社の圧力で、絶対にこんなジャケットでのリリース出来ないと思います。さすがです。
曲はタイトル通りの、ギターのアルペジオが滑らかな曲。昔のヒット曲「カローラⅡにのって」を思い出しました。まさかこう来るか、という感じです。2曲目は何と「ラブリー」を、満島ひかりさんとデュエットしているライブ音源。リズム・マシンとギターのみのアレンジが良くって、1曲目と地続きに聴こえます。余り言われないけど、小沢さん、ギター上手いです。
ところで、「リバーズ・エッジ」の実写映画化、ホントに驚きました。いろんな意味で生々しい表現のマンガで、実をいうと、実写版を観るのは私にはちょっと抵抗があります。(このマンガの実写版に限らず、保守的な原作のファンは大体そう言うらしいです 笑)
映画化されることで、岡崎京子さんを知らない若い世代の方々の多くが、この作品に触れると思うと、感慨深いものがあります。この作品は、面白いとかつまらないとかの、娯楽として鑑賞されるマンガというよりも、身に染みて分かるか・全然分からないか、そのどちらかを読んだ人に迫ります。分かる人にとっては「面白い」よりも「必要」だと感じると思います。そんなマンガ。
日々生きづらさを抱えて暮らしている青年・少年少女には、ぜひこの作品に触れてほしいです。きっと何か感じるところがあるのでは。そう思います。