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【2018年3月29日】ブログを始めて一年経ちました 〜 自分の言葉で書くことの楽しさ

という訳で、一年。早いようですが、やっと一年経ったという気もします。

 

 

今まで50年以上生きてきて、真剣に考えて自分の言葉でこんなにもたくさんの文章を書いたのは、これが初めてです。
最初は5〜6行で既に言葉に詰まってしまい、数時間考えてようやく10行程書ける程度。アップも数日おきというペースでしたが、書いているうちに、次第にスラスラと言葉がつながるようになってきました。

 

 

そして何でこんなに続けることが出来たのかというと、単純に、読んで下さる方がいらっしゃったからです。読まれるとなると、がんばって書いてしまいます。しょっ中でなくても、一度でも目を通していただいた方々には、本当に感謝しています。

 

 
ところで (ブログを) 書くという行為ですが、私の場合、思っていることを書くという感じではなく、指が記憶や思考を引っ張り出してキーを勝手に打っていく、そんな行為です。キーボードに打ち込む文章が予め頭の中にある訳ではありません。音楽でいうと、インプロヴィゼーション (即興演奏) のようなやり方です。

 

 

漠然と感じたことがあって、それに沿って指が動いていくという感じでなので、後から読み返すと、ある意味他人が書いた文章のように読める時もよくあります。書いてから、ああ、自分はこんなことを考えていたんだ、こんなことを感じていたんだ、こんなことを憶えていたんだ、と。変な言い方ですが、自分が先生であり生徒であるような。
「自分は他者である」という言葉が身に染みて分かったこの一年でした。

 

 

曲を作ったり歌詞を書いたりするのも同様です。気がついたら出来ていて、後から、自分はこんなメロディが好きなんだ、こんなリズムに合うんだ、とか、よく思います。
この歳になって、自分への興味がますます湧いてきた気がします。これが昔から言うところの「内なる声をきく」という行為なのかもしれないと感じています。

 

 

 

では、引き続きよろしくお願いします。

 

 

 


今朝の空。一年前よりもくすんでいましたが、青空でした。(一年前の空は一番最初のブログで見れます)

 

【2018年3月28日】音楽は歴史の積み重ねの上に 〜 ダオ・デジ「ワールド・ミックス・アルバム」

ラスコーやアルタミラから 続いている時間は
僕らの心の奥の方 照らし続ける
ラスコーやアルタミラから 続いている時間は
僕らの暮らしの中で、そっと あかり点してる

 

 

 

新しく出来た曲「西暦2018年、ニューヨークの落書き」歌詞の、サビの箇所です。
歌詞っぽくありませんが、この部分はメロディと言葉がほぼ同時に出来ました。こんなことは滅多にありません。
このラスコーとアルタミラの洞窟は、人類がまだ文字を持っていなかった先史時代の頃の壁画が見つかった土地です。ラスコーはフランス、アルタミラはスペイン。ネットでニューヨークの落書きの画像を眺めていたら思い出して、一緒にネットで検索して閲覧しました。
それで、更に思い出したのが、数年前にジャケ買いしたこのCDです。

 

 

 

 

いく層にも重ねてコラージュした、非常に手の込んだジャケットです。
秋っぽい植物、水を飲んでいる動物、古新聞の切抜き、そして、くすんだ色合いの古代の壁画っぽい柄のバック…。そして白抜きの、多分オリジナル・フォントのアーティスト・ロゴ。

 

 

アーティスト名「ダオ・デジ」、アルバム名「ワールド・ミックス・アルバム」(’95年)。
ネットで検索しても殆ど上がってこない程の、今となっては歴史に埋もれてしまったアルバムです。私もこのアーティスト、全く知りませんでしたが、私の買ったCDは日本盤で、非常に良心的なライナーノーツが付いていたので、とても助かりました。’95年というとCDバブル期なので、このようなマイナーなアーティストでも日本でリリースされていたのでしょう。発売元は、インディーズ・レーベルではなく、何と東芝EMI。大メジャーなレコード会社です。

 

 

そのライナーノーツによると、「ダオ・デジ」は、フランスのアーティスト、エリック・ムーケ&ギラン・ジョンシュレお二人によるプロジェクト名で、このアルバム「ワールド・ミックス・アルバム」は、数人のゲストを呼んで制作されています。

 

 

音は、ブルターニュ地方の民族音楽を’95年当時最新のエレクトロニクス/ダンス・ビートに乗せたものです。
ライナーノーツでは、ブルターニュ地方の歴史に付いても触れられていました。フランスにおけるブルターニュ地方は、どうやら日本でいうと沖縄とか北方諸島のような辺境の土地みたいです。そしてこの土地も、ラスコーやアルタミラのように、太古から人々が住んでいた土地のようです。

 

 

買った当時は、余りにも民族音楽臭くて、どうも日常的に聴く気がしなくて、数度聴いてお蔵入りしてしまいましたが、思い出して引っ張り出して聴いてみたところ普通に楽しんで聴けました。前にも書きましたが、最近はそんなパターンが多いです。

 

 

ポップスやロックだけが無国籍なのであって、元々音楽はその土地その土地の歴史が積み重なって奏でられてきたものです。歴史を知ると、その土地の音楽を更に楽しむことが出来ると思います。
ジャケットを見ながら、ライナーノーツを読みながら耳を傾けていると、行ったことも見たこともないブルターニュ地方で生活する人々の様子や、ラスコー洞窟やアルタミラ洞窟の壁画などに、思いを馳せてしまいました。