前回、今まで通りのやり方とニュートロンを使用したやり方の、2種のマスタリング方法について書きましたが、先日と本日で、実際そのふたつの方法でミックスダウン→マスタリング、を行ってみました。
ニュートロンを使ってのミックスダウンは今回の「失語症の猫たち」が初めてです。やってみたところ、オゾン10のマスタリングよりも、このニュートロンのミックスダウンの方が、いい意味でもわるい意味でも他人感が凄いです (笑)。
「わるい意味」と書いたのは、一点のみです。ボーカルの声質です。AIによるコンプやイコライザーその他の処理により、私の声質がまるで徳永英明さんや草野マサムネさんのような美声に変わっています。おそらく、声の波形を読み込んで、ヒトの耳にいい感じで響くように最適化された結果、こうなったと思われます。
以前書いた事がありますが、私の声質 (波形) は、前述の2人や、スガシカオさん、小田和正さん、宇多田ヒカルさん、等々と倍音の波形が似ています。(波形グラフで調べました)
おそらくAIは、そんなところを意識?して加工したのだと思います。
実は私はここ数年、意図的に倍音を強調させず、必要以上に美声に聴こえないようなボーカル処理をしています。デヴィッド・ボウイのアルバムだと、「レッツ・ダンス」のハイファイでゴージャスな声質ではなく、「ロジャー」の生々しい声質です。
なのでこれは困ったと思い、いろいろ試してみたのですが、ボーカルの声質だけをリアルな感じで汚して残して、あとはAI処理のミックスでハイファイに、という訳にはいきませんでした。まあ音は全部繋がっているので、ミックスで声だけ変えるのは難しいみたいです。
考えた挙句、バックのトラックはAI主導でボーカルは自力で別々にミックスして、それを合わせて再ミックス→マスタリングするという方法が浮かびました。つまり、いいとこ取りです。
実際に試してみましたが、声とバックがイマイチ融合しません。(当たり前ですが 笑)
という訳で、今現在、創作の沼にハマっている状態です。まあコツコツとトライ・アンド・エラーを重ねるしかありません。
咲いては枯れ、また朝になったら咲く、近所の畑の朝顔の花。作業に行き詰まっても、この朝顔のように毎朝「やる気の花」だけは咲かせたいなあと。